SFやゲームの世界に登場する「パワーフィスト」を3Dプリンターで再現した作品の設計データが公開された。製作者の「Alex_Geek_Workshop」氏は、完全に可動する指を持つパワーフィストをデザインし、STLファイルを有料で販売している。
パワーフィストは装着者の腕を覆う大型のガントレット(籠手)で、主にSF作品に登場する近接戦闘用の武器。Alex_Geek_Workshop氏の作品は、実際に指の動きに連動して機械的な指が動作する仕組みを3Dプリンターで実現している。
製作者によると、フルスケールで印刷する場合は最低2kgのプラスチック材料が必要で、印刷可能サイズは200×200×200mm以上の3Dプリンターを推奨している。重量は100%スケールで約2.3kgとなる。
この作品の特徴は、指の動きを機械的に伝達するスプリング機構にある。4つの異なる長さのスプリング(66mm、108mm、110mm、107mm)を使用し、装着者の指の動きに連動してパワーフィストの指が動作する仕組みだ。
材料については、本体部分はPLA樹脂で印刷可能で、壁厚2層以上、充填率10%以上を推奨している。スプリング部分についてはPETG樹脂での印刷を推奨しており、耐久性を重視した設計となっている。
設計ファイルには、200×200×200mmサイズの3Dプリンター向けに事前にスライスされたデータも含まれており、小型プリンターでも製作可能な配慮がなされている。
製作プロセスを紹介する動画も公開されており、組み立て手順を確認できる。ただし、2つ目のガントレットを装着する際には他者の補助が必要とのこと。
STLファイルは製作者のウェブサイトで30ドル(約4500円)で販売されており、購入者からは「詳細なファイルで、小型プリンター用の事前スライスデータも含まれている」「組み立て動画もあり分かりやすい」といった評価が寄せられている。
Alex_Geek_Workshop氏は同様のコンセプトでチェーンソード(チェーンソー型の剣)なども手がけており、3Dプリンターを活用したSF武器のレプリカ製作を専門としている。