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地面から剣が現れるーー3Dプリント製の折りたたみ式ねじれ剣

3Dプリントで伸縮するギミックを持つおもちゃを製作する場合、可動部の精度確保が課題になる。特に高さのある細い部品を一体造形すると、プリント中の揺れやレイヤーシフトで可動部が融合し、スムーズに動かなくなる問題が生じる。

MeasureOnce氏は、3Dプリント可能な折りたたみ式のねじれ剣「Collapsible Twisting Sword – MK2」を設計し、2025年11月6日にMakerWorldで公開した。この作品は、螺旋状に配置された複数のブレードが柄の中から回転しながら伸び出す構造を持つ。

同氏はこの剣のオリジナルバージョンを以前に公開していたが、プリントインプレイス(一体造形)方式だったため、複数のユーザーから造形の問題が報告されていた。高く細いブレード部品が造形中に上部で揺れ、リンク部分が融合してスムーズに伸縮しなくなることがあったという。

組み立て方式による造形品質の向上

MK2バージョンでは、各コンポーネントを個別にプリントして組み立てる方式に変更した。設計変更の工夫は、各ブレードにサポート構造を追加し、造形中の転倒やレイヤーシフトを防ぐことだ。ブレードが安定して造形されるため、可動部の精度が向上する。

組み立て方式には、1つのブレードリンクが破損した場合に、その部品だけを交換できる利点もある。オリジナルバージョンでは一体造形のため、1カ所が壊れると全体を作り直す必要があった。

推奨されるプリント設定は、0.2mmレイヤー高、2壁、15%インフィルだ。MeasureOnce氏は、ブレードのサポートを除去する際の注意と、ブレード表面の突起物を除去してスムーズな動作を確保することを推奨している。

MakerWorldのコメント欄では、PLAシルクフィラメントで美しく造形できたという報告や、サポートをねじって除去できる独特の構造が評価されている。また、4つのブレードパーツをビルドプレート上で中央に配置し、サポートを無効にしてプリントインプレイスで成功したというユーザーもいた。60%スケールで縮小すれば、A1 miniでも造形可能だという。

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FabScene編集部

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