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デスクトップPCにハンドルとモニターを取り付けて持ち運び可能に 3Dプリンターでカスタムパーツを製作

デスクトップ型パソコンを持ち運べるようにするため、3Dプリンターを使ってモニターとPCを一体化したシステムを作成したMaker「MrFahrenheit3108」氏の工作事例が投稿サイト「Printables」で公開された。

この工作では、PCケース前面のモニタースタンド用アダプター、輸送時にモニターを保護するスタンド、PCケース上部に取り付けるハンドルの3つのパーツを3Dプリンターで製作している。

MrFahrenheit3108氏は、友人と複数台のパソコンを持ち寄ってゲームを楽しむ「LANパーティー」を開催する際に、簡単に輸送できるデスクトップPCが必要だったと製作の動機を説明している。LANパーティーとは、各自がパソコンを会場に持参し、ネットワークで接続して対戦ゲームなどを楽しむイベントのこと。完成したシステムでは、モニターをPCケースの側面に固定し、上部にハンドルを取り付けることで、デスクトップPCとモニターを一体で持ち運べるようになった。

設計の特徴と使用材料

このプロジェクトは、LANパーティーまでの限られた時間(5日間)で完成させる必要があった。MrFahrenheit3108氏は、従来のデスクトップPCの分解・組み立てに片道1時間、復旧に2時間もかかっていた課題を解決するため、持ち運び専用のシステム構築を決断した。

まず古いデスクトップPCを倉庫から取り出してメンテナンスを実施。11年使用していたCPUクーラーを21ユーロの新品に交換し、10ユーロのファンコントローラーを追加して冷却性能を向上させた。

モニターの取り付けには、既存のモニタースタンドの取り付け機構を活用した設計を採用。当初はVESAマウントを使用する予定だったが、よりシンプルな設計に変更した。モニターを支える部分は、造形方向を改良するため2つのパーツに分割して印刷されている。

使用した材料はBambu Lab製のカーボンファイバー入りPLA樹脂。耐久性の観点から、一部パーツをABS樹脂で再印刷することも検討しているという。

ハンドル部分は、PC全体とモニターの重量を支えるため、最大径のネジ4本で固定している。実際のテストでは、移動中にモニターが揺れながらも破損することなく輸送に成功した。

設計ファイルは3MF形式でPrintablesに公開されており、Fusion 360で編集可能となっている。ただし、この設計が特定のPCケースとモニター用にカスタマイズされているため、他のユーザーが使用する場合は修正が必要だと製作者は注意を呼びかけている。

製作プロセス全体を記録した動画もYouTubeで公開されており、設計の詳細な工程を確認できる。製作者は今後の改良点として、モニターの高さ調整機能、輸送時の画面保護機構、ケーブル内蔵によるプラグアンドプレイ化などを挙げている。

関連情報

Printables – Desktop PC made Portable

FabScene編集部

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