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OLEDディスプレイで照準器を自作、Arduino Nanoで制御するリフレクターサイト

海外の個人製作者MetisAdam氏が、OLEDディスプレイとArduino Nanoを使った自作のリフレクターサイト(反射式照準器)を製作し、海外掲示板Redditに投稿した。このプロジェクトは、同氏にとってArduinoを使った初めての作品で、約1年前に製作されたものだという。

リフレクターサイトは、ミラーやレンズを使って照準を対象物に重ねて表示する光学機器で、通常はLEDを使った赤い点を表示する。MetisAdam氏は、他の製作者がOLEDディスプレイをレッドドットサイトのレティクル(照準線)として使用しているのを見て、自分も作りたいと考えたという。

このリフレクターサイトは、128×64ピクセルのSPI接続OLEDディスプレイを中心に、Arduino Nano、昇圧コンバーター、ボタン、バッテリーで構成される。光学系には、安価な単眼鏡から取り出した収差補正レンズ(2枚構成)を使用している。ミラーは通常の鏡を使用し、ゴースト(二重像)を除去するため、レンズ下のミラーは裏面を使用している。最終的な反射ガラスには、反射面を除去したミラーにウィンドウティントを貼り付けたものを採用した。

焦点距離は調整可能で、ディスプレイ背面のスプリングでディスプレイに圧力を加え、ネジで画像距離を調整する仕組みだ。MetisAdam氏によると、「月と同じ距離まで調整できる」ほどの可変範囲があり、実際には約1km先の物体に合わせているという。

画像出典元:reddit

配線には、直径0.1mm(38ゲージ)のエナメル銅線を使用し、コンパクトな設計を実現している。UIも自作しており、Adafruit製のSSD1306ライブラリを使用して、各スロットにアイコンと名前を表示する仕組みを構築した。

MetisAdam氏は、Redditでの投稿で視差(パララックス)について詳しく説明している。「レティクルが動きすぎるように見えるのは、画像距離が遠くに設定されているためで、物理的に正しい動き。ガラスやサイドウィングが基準点となるため、動きが大きく見える」と解説し、手で輪を作って目の前に置き、遠くの物体を見ながら頭を動かすと同じ効果が確認できると説明している。

製作費用は約15ドル(約2100円)で、比較的低コストで実現できたという。投稿には4100票以上の賛成票が集まり、多くの技術的な質問や改善提案が寄せられた。3Dプリンターでケースを作ることや、レンジファインダーと組み合わせて弾道補正機能を追加するといったアイデアも提案されている。

関連情報

A reflector sight, using an oled display and a Arduino Nano

FabScene編集部

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