ブレッドボードでLEDを光らせられるようになった次に、多くの人が同じ場所で止まる。実際に部屋へ置ける形にする段階だ。ケースをどう作るか、電源をどう取るか、Wi-Fiの接続情報をどうやって機器に教えるか。配線を恒久的なものに変える作業も含めて、参考にできる完成例がなかなか見つからない。
TheFargo氏がGitHubで公開した「Blossom」は、その段差を埋めるために作られた照明作品だ。木製のケースの中にRaspberry Pi Pico 2Wと16個のRGBW LEDを収め、外側は20枚の花弁を持つカピス貝の蓮で覆う。上には50mmのフロストガラスを載せて光を散らす。ブラウザーからblossom.localにつなげば、色のグラデーションやノイズパターンをその場で編集でき、呼吸に合わせて明るさが変わる瞑想モードも動く。
作りとして目を引くのは、Pico 2W自身がWebサーバーになっている点だ。専用アプリを入れる必要がなく、操作するデータは家庭内のネットワークから外へ出ない。初回は機器側が設定用のモードで立ち上がり、そこにWi-Fiの認証情報を渡す。HTTP APIも文書化してあるので、自分で書いたプログラムから明かりを操ることもできる。
LEDの駆動にはPicoのPIOを使う。CPUとは別に動く小さな回路を組める仕組みで、1本の信号線で数珠つなぎに制御するSK6812のようなLEDが求める厳しい波形を、本体の処理から切り離して作れる。白色LEDには最も暖かい色味の品を選んでおり、暗く灯すと白熱灯やろうそくの炎に近く見える。
部品表は総額約48ドル、日本円で約7600円になる。内訳はPico 2Wが約1100円、16灯のNeoPixelリングが約1900円で、残りは蓮の飾りと合板、ガラス、ネジ、電源アダプターだ。ケースはレーザーカッター用のデータが付属し、3mmのバスウッドか合板を20×30cmほど用意すれば切り出せる。
リポジトリには、図解付きの組立手順や詳しくコメントを入れたC++のソースに加え、PIOステートマシンの解説とLEDの技術背景まで別文書として置いてある。同氏はこれを初級から中級向けの題材と位置づけ、LED技術とレーザー木工、Wi-Fiの設定、PIOのアセンブリまで一通り触れられるとする。ソフトウェアはApache License 2.0、筐体の設計はCC BY 4.0で、商用利用も認めている。