猫が狩った獲物を家の中に持ち込むのは、飼い主にとって悩ましい問題だ。そこでfl2ooo氏は、Raspberry Piと機械学習を組み合わせて、猫が獲物を持っているかを自動検出し、キャットドアをロックするシステムを製作した。2025年10月下旬にRedditで公開されたこのプロジェクトは、ハードウェアの工夫とAIの組み合わせで、古くからある課題に新しいアプローチを提示している。
fl2ooo氏の母親は猫のZelieが獲物を持ち帰ることに悩んでおり、「あなたはAIの仕事をしているのだから、Zelieがプレゼントを持ってくるのを止める何かを作れないか」と相談を受けたという。通常はプリンターやスマートフォンの相談を受けることが多いというfl2ooo氏だが、今回は挑戦を受けて立った。
システムはRaspberry Pi 5、Pi Camera 3、RFIDリーダーを使用している。カメラで猫の姿を撮影し、AIが獲物を持っているかを判定する。獲物を持っていると判定された場合、ドアを自動的にロックし、アラートを送信する仕組みだ。
このシステムの工夫の一つが、既存のキャットドアとの統合方法だ。多くのキャットドアは、猫の首輪に取り付けられたマイクロチップやRFIDタグを読み取り、登録された猫だけを通す仕組みを持っている。fl2ooo氏のシステムは、既存のキャットドアのRFIDリーダーに干渉する別のRFIDリーダーを配置することで、ドアをロックする。
具体的には、134.2kHzのキャリア波を発生させるRFIDリーダーモジュールを、キャットドアのリーダーアンテナの近くに配置する。このモジュールが動作すると、キャットドアのリーダーが猫のマイクロチップを検出できなくなり、結果としてドアがロックされたままになる。
fl2ooo氏は、プロジェクトのコード、ハードウェア設定、手順をGitHubで公開しており、同じ問題を抱える人が自分で構築できるようにしている。Raspberry Pi 5には大型の冷却ファンが取り付けられており、AI処理の負荷に対応している。