フォトグラファーのMalcolm Jay氏が、Raspberry Pi 5とIMX585モノクロームセンサーを使った自作カメラを製作し、その成果をSubstackで公開した。数百本のモノクロフィルムを現像してきた同氏は、このカメラがフィルムカメラと同様のモノクローム表現を実現したと評価している。
同氏が製作したカメラは、SonyのIMX585モノクロームセンサーとRaspberry Pi 5を組み合わせたもの。IMX585は1/1.2型で有効画素数840万画素、3840×2160ピクセルの解像度を持つCMOSセンサーだ。ストリートポートレート撮影でバッテリー寿命、ダイナミックレンジ、画質の3点をテストした。
テストは曇天の下、全身黒い服装のモデルを撮影するという条件で実施された。センサーはハイライトが適度に飛ぶ形で反応し、コントラストの強い光の中でのDelta 400フィルムの挙動と同様の特性を示したという。
複数の作例写真が公開されており、ディテールの再現性や階調表現を確認できる。同氏は市販のモノクロームカメラに数十万円を費やすことなく、フィルムカメラの質感に近い表現を得られたことに満足しているとコメントしている。
同氏は今後も改良を続ける予定としており、将来的にはキットとして販売する可能性も示唆している。記事へのコメントでは、キットの販売を希望する声や、技術ジャーナリストから記事執筆の申し出なども寄せられている。
Camera Hacks by Malcolm Jay(Substack)