Categories: 工作・開発

最大2720個のLEDを舞台照明ソフトから動かすESP32の自作コントローラー

コンサートやイベントで、数千個のLEDがぴったり同期して動く演出を見たことがあるはずだ。こうした制御には、舞台照明の標準だったDMX512という規格があるが、1本のケーブルで送れるデータは512チャネル分にとどまる。RGBで光るLED1個に3チャネル必要なため、約170個分しか載らない。オランダのMatthijs Dethmers氏(ブランド名LichtBit)は、この壁をESP32で越えるオープンソースのコントローラーを作り、設計と回路を公開した。

仕組みは、舞台照明ソフトから複数の「ユニバース」(512チャネル分のひとまとまり)を「Art-Net」や「sACN」というネットワーク用プロトコルにまとめて送り、ESP32側でその信号を「WS2812B」などのアドレッサブル(個別アドレス指定)LEDの高速シリアル信号に翻訳するというものだ。1台で4系統の出力から合計16ユニバース、最大2720個のRGB LEDを駆動できる。プロ向け演出ソフトの「Resolume Arena」「MadMapper」「xLights」などに直接対応する。

ESP32の限られたCPUを節約するため、LEDへの信号生成は「I2SClocklessLedDriver」というライブラリに任せ、本体は通信処理に専念する。フレームレートは40fps以上、99%以上の信頼性でフレームの取りこぼしは1%未満だという。有線接続にはWIZnetのEthernetチップ「W5500」を採用し、Wi-Fiにも対応する。状態表示用の128×32ドットのOLED、設定切り替え用のボタン、各出力に8Aのリセット式ヒューズなど、現場で使う前提の保護回路を備える。

PCB設計やBOM、3Dプリント可能なケース、ファームウェアまでGitHubで公開され、MITライセンスで配布されている。自分で部品を集めて組めば材料費だけで作れるほか、完成済みのボードがTindieで82ドル(約1万3000円)で販売されている。

関連情報

FabScene編集部

FabScene編集部