使われなくなったRaspberry Pi 3Bが手元にある。どう活かすか——その問いに対してDIY制作者のFilbot氏が出した答えが、国際宇宙ステーション(ISS)のリアルタイム追跡ディスプレイだ。
表示内容はISSの現在位置と、現在宇宙に滞在している宇宙飛行士の情報の2種類だ。どちらも無償のAPIで取得できる。本体に取り付けたトグルスイッチを下に倒すと、地球儀上を動くISSの位置表示から宇宙飛行士のデータ表示に切り替わる。ソフトウェアはPythonで書かれているが、GitHubにセットアップ手順とテーマファイルが公開されており、プログラムの知識がなくても再現できる構成になっている。3DプリントデータはMakerWorldで入手できる。
ディスプレイはWaveshare製3.5インチLCDハットを採用し、GPIO上のポゴピンでPiに直結するためハードウェア側の配線は不要だ。ただしSPIインターフェースの帯域が狭く、地球儀の回転アニメーションはなめらかなフレームレートには届いていないとFilbot氏は認めている。トグルスイッチとアルミ製トグルガードの組み合わせは「遊び心のため」とされているが、スイッチがある以上は機能を持たせたいという判断から現在宇宙飛行士の表示機能が実装された。
フェイスプレートは3mmアルミ板をホームオフィスのCNCで削り出した。同じアルミ素材のトグルガードと統一感を出すための選択だが、1枚の加工に1時間以上を要している。素のアルミのまま仕上げることも考えたが、ウォータースライドデカールを映えさせるために白塗装を施した。デカールはIllustratorで設計し、NASAの「ワーム」ロゴと架空のデータフォーマットを組み合わせて「NASAのコントロールパネルに設置されているモジュール」風に仕上げた。
塗装の乾燥促進に3DプリンターのチャンバーをBambu Labの乾燥モードで使うという手法も試みており、「AIに天才だと言われたので採用した」とコメントが添えられている。ハウジングはBambu Lab PLA-CFで2パーツ構成で印刷しており、トグルスイッチの取り付け位置を調整するプレートは壁マウント用のマウンティングも備えた本体と分離して設計した。深さ調整のためにこのパーツを数回再印刷したが、あらかじめ分離設計にしておいたことで本体の大型パーツを作り直さずに済んだとしている。