Framework Laptopは、部品の交換や修理を前提に設計されたモジュール式ノートPCだ。側面には拡張カードスロットを4基備え、USB-CやHDMI、SDカードリーダーなどのカードを自由に組み合わせてポート構成をカスタマイズできる。公式やサードパーティーから様々なカードが提供されているが、マイコンボードを挿して電子工作に使いたい場合、選択肢は限られていた。イタリアのMaker、Tan Siret Akıncı氏はこの課題に対し、Raspberry Pi RP2350を搭載した拡張カードを設計した。
FabSceneの読者投稿フォームに寄せられた本プロジェクトは、Frameworkが公開している拡張カードのテンプレートと、Raspberry Pi公式のRP2350A最小構成設計を組み合わせて開発された。KiCadで設計し、NextPCBに製造を委託している。
RP2350はRaspberry Pi Picoシリーズに採用されているマイコンで、デュアルコアArm Cortex-M33とRISC-Vコアを搭載する。本カードではこのRP2350Aを使い、Framework Laptopから直接GPIOにアクセスできるようにした。
カード表面にはGPIO0〜7の8ピン、3.3V電源、リセットピンを配置。裏面にはGPIO9〜13とGPIO27〜29、グラウンド、ブートピンが並ぶ。GPIO27〜29はADC(アナログ-デジタル変換)に対応しており、センサーからのアナログ信号を読み取れる。SPIやUART、I2Cといった通信インターフェースも利用可能で、一般的なマイコンボードと同様の使い方ができる。
設計データはCC BY 4.0ライセンスでGitHubに公開されている。製造にはUSB Type-Cコネクターとして「TYPEC-950-ARP24」を採用した。Framework公式テンプレートで指定されているMolex製コネクターとは異なるが、NextPCBでの入手性を考慮した選択だという。3Dプリント用のケースはXenoCow氏が設計し、Printables.comで公開している。
Akıncı氏はトリノ工科大学に所属しており、コントリビューターとしてjerrymk氏も参加している。
※この記事は読者投稿フォームからの応募に基づいて作成しました。
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