窓の外で鳥が鳴いても、何の鳥かはたいてい分からない。スマホのアプリに聞かせる手はあるが、窓を開けて構えるころには飛んでいる。ノルウェーのArne Giacomo Munthe-Kaas氏は、壁に掛けたまま勝手に聞き分ける額縁を作った。名前は「fugleramme」で、ノルウェー語の鳥の額縁にあたる。コードはMITライセンスでGitHubに公開している。
軒下に貼ったマイクの細いケーブルを、窓が閉まる程度のすき間から室内へ引き込む。音を受け取るのはBirdNET-Goで、聞き取った種類を自分のデータベースに書き込む。fuglerammeはそれを読み、種ごとに1枚の絵を当てて紙面に並べ、顔ぶれが変わったときだけ描き直す。絵は1800年代の博物画のスキャンから1枚ずつ手で切り抜いたもので、生成AIの画像は使っていない。大きい鳥ほど中央に寄り、寸法は実際の体重で決まる。体重は鳥類の形質データベースAVONETから取った。1羽も聞こえない日は、空の止まり木だけが残る。
部品はRaspberry Pi 5の2GB版、Pimoroniの13.3インチ(対角約338mm)の電子ペーパー「Inky Impression」、USBマイク、A4の額縁を使う。RAMを2GBで足りると判断したのは、識別をBirdNET-Goが担い、額縁の側は数分に1回コラージュを描くだけだからだ。一方で冷却ファンは必須だと念を押している。識別器が動き続けるのでPi 5がかなり熱くなる。裏板は外すか大きく穴を開ける。パネルとPiは額縁の内側の空洞に収まるので、閉じると熱の逃げ場がなくなる。
パネルの基板はちょうどA4の297×210mmで、どのA4額縁にも入る。同氏はIKEAの「RÖDALM 21×30」を選んだ。厚みが3cmあり、Piが壁に触れずに収まる。台紙は付属品を短辺20mm、長辺15mmで切り直す。
制約も書き添えてある。図版はスカンジナビアと英国のもので、北欧、英国、ドイツ以外はまだ手薄だ。識別の精度を左右するのはPiよりマイクと、その置き場所だとしている。パネルがなくても構わず、HDMIのディスプレイやネットワーク上の端末から同じ画面を開ける。ベルゲンの自宅では37種、約2600回を記録した。壁への掛け方は同氏もまだ決めかねており、壁から浮かせる方法を探していると書いている。