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多発性硬化症の父のため、約1600万円の四足歩行ロボを歩く車いすに改造

車いすは平らな床では頼れる相棒だが、砂利や小さな段差、階段の前では止まってしまう。かつてマラソンを走り、20年にわたり多発性硬化症(自己免疫の異常で脊髄が攻撃され、脚へ神経の信号を送れなくなる病気)で車いすを使う父のために、YouTuberのJake Laser氏は、こうした場所も越えられる乗り物を自作した。氏はこれを「bionic leg chair」、脚を持つ椅子と呼ぶ。

氏はまず、人を持ち上げて歩かせる装着型のロボットスーツも検討したが、動作が遅くて大きいうえ高価で、いますぐ使える形ではないと判断した。そこで選んだのが、車いすの車輪を四足歩行ロボットに置き換える方法だ。土台には、脚の先に車輪も備えた10万ドル(約1600万円)ほどの大型の四足ロボットを、ビルダー向けの投稿サイトを運営するArc Stemの支援で入手した。平地では車輪で転がって電池を節約し、不整地では脚で歩き、段差や階段は脚を上げて越える。

このロボットはもともと人を乗せる用途ではなく、氏は制御ソフトを書き換えて人の重さを支えられるよう調整した。座席にはレース用シートを青いスエードで張り、車体はカーボン調のラップで仕上げ、ホイールスピナーやアンダーグロー、ヘッドライトを付けて車のような外装にまとめた。操作は大型のRCカーに近く、前後と左右で動かす。氏の脚は車体の前側へ載せ、足元に元の車いすのフットプレートを組み合わせた。

仕上げた機体は、階段や段差、はしご、川辺の岩場や坂道を越えて進み、父は10年ぶりに丘を登った。一方で人を乗せるための改造のため、調整中にときどき転倒し、氏自身「製品としては受け入れられない」と、まだ完成品ではないと語る。市販の車いすが越えられない環境で移動の自由を取り戻したい人にとって、脚を持つ乗り物という方向性を示す試みだろう。

FabScene編集部

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