Categories: 工作・開発

ポケベル型のESP32端末「T-LoRa Pager」が音楽プレーヤーに

LILYGOの「T-LoRa Pager」は、QWERTYキーボードと小型液晶を載せた手のひらサイズのESP32端末で、本来はLoRaという長距離無線通信を使ったオフグリッドのメッセージング用に作られた。Redditの@No_Wallaby6061氏(GitHubではwadadawadada氏)はこのレトロなガジェットを別の用途に転用しようと考え、SDカードに入れた音楽を再生したり、ネットラジオを聴いたりできる音楽プレーヤーに変えるオープンソースのファームウェア「Melody Machine」を公開した。投稿先はr/esp32コミュニティで、すでにv0.2まで更新が進んでいる。

最初のv0.1で備わったのは4つの機能だ。SDカードからのMP3再生、Wi-Fi経由でのインターネットラジオ再生(M3Uプレイリスト形式に対応)、LVGL(組み込み機器でよく使われる描画ライブラリ)を使った操作画面、ESP32の2つのCPUコアを音声処理と画面・操作の処理に振り分けて音切れを防ぐ仕組みだ。設定値はSDカードに保存される。続くv0.2では再生の滑らかさ、画面表示のシャープさ、ボタン類の反応の良さが磨き込まれている。

T-LoRa Pagerは音楽プレーヤーとしての素質が意外と高いと製作者は説明する。本体に付いているロータリーホイールは曲送りや音量操作に自然になじみ、QWERTYキーボードはプレイリスト名の検索などに活用できる余地がある。製作者は「多くの人は小さな開発ボードを目にしているだけだが、私には『正しいファームウェアを待っている未完成のコンシューマー機器』に見える」とコメントしており、安価な汎用ハードウェアと良質なソフトウェアの組み合わせで、市販の製品カテゴリーが新しく生まれうるという考え方に立つ。

ファームウェアと設計データはGitHubで公開されており、コンパイル済みのバイナリーをダウンロードして書き込めばすぐに試せる。T-LoRa PagerはLoRaメッセージング以外の用途で持て余している人もいる端末で、手元にあるなら音楽プレーヤーとして第二の人生を与える題材として手頃だろう。

関連情報

FabScene編集部

FabScene編集部