Pixarのアニメーションでおなじみのランプキャラクターのように、自ら動き回って表現豊かな動きを見せるロボットランプのオープンソースプロジェクトが進行中だ。Human Computer Labが開発している「LeLamp」は、Appleの研究論文「ELEGNT」に基づき設計されており、機能性と表現力を両立したロボットの実現を目指している。
LeLampプロジェクトは現在、GitHubで設計図や3Dデータが公開されており、個人のMakerでも製作に参加できる。開発は2つの方向で進められている。1つは、The Robot Studioの「SO-101」や「SO-100」といった既存のロボットアームを改造するバージョンで、既にこれらのロボットアームを所有しているユーザー向けに提供されている。もう1つは完全に新規設計するメインバージョンで、将来的にはこちらが主力モデルとなる予定だ。
現在公開されているプロトタイプは、手の動きを追跡してランプの動きを制御するデモ機能を備えている。PIDループを使用してロボットアームの肩部分とリスト部分の動きを制御し、ユーザーの手の動きに追従する。また、LeRobotというロボット制御システムとも互換性があり、テレオペレーション(遠隔操作)機能も実装されている。
プロジェクトの根底にあるのは、Appleが発表した研究論文「ELEGNT: Expressive and Functional Movement Design for Non-Anthropomorphic Robot」だ。この研究では、ロボットが人間とより自然に交流するために、従来の機能的な考慮(タスクの遂行、空間的制約、時間効率)に加えて、意図、注意、感情などの表現的な要素を組み込んだ動きの設計を提案している。
Human Computer Labは今後の開発計画として、ST3215サーボモーター対応への再設計、物理シミュレーション環境Mujocoでのテスト、ジャンプ動作の学習機能、音声認識とマイク機能の追加などを予定している。プロジェクトはGNU General Public License v3.0の下で公開されており、コミュニティからのフィードバックを積極的に受け入れながら開発が続けられている。Reddit上ではデモ動画も公開されている。