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ラズパイで作る厚さ18mmの7インチタブレット

Redditユーザーが、Raspberry Pi 4をベースにした薄型7インチタブレットPCを自作し、話題となっている。完成した端末は厚さ18mm、重量377gのポータブルデバイスで、タブレット単体での使用からデスクトップPC的な用途まで幅広く対応する。Nintendo SwitchやSteam Deckからインスピレーションを得た設計で、取り外し可能な周辺機器との組み合わせで多様な使用スタイルを実現している。

同プロジェクトの開発者は、初代Raspberry Piの頃からポータブル化を構想していたという。Raspberry Pi 4(8GB RAM)と「Touch Display 2」(720×1280解像度)、「PiSugar 3 Plus」UPS基板(3A対応、5000mAh LiPoバッテリー)を組み合わせ、長年の夢を実現した。

端末のサイズは193.5mm×124.5mmで、7インチディスプレイの周囲にわずか2mmのベゼルを追加しただけのコンパクト設計だ。薄型化のため3つの主要部品すべてからコンポーネントを取り外し、基板の配置を最適化している。コネクター類はケースの側面に配置し、USB端子やGPIOピンは延長ケーブルで他の側面に引き出す設計としている。

開発者は6回以上のケース設計を試行錯誤したという。3Dプリント製のものが中心だが、木材を使用したバージョンも制作された。組み立て方法も多様で、ボルト、タイラップ、スナップフィットなど様々な手法を検討している。

現在もプロジェクトは進行中で、USB コネクターの配線、背面カバーへの通気口設置、ヒートシンクや冷却ファンの追加による熱管理の改善が予定されている。また、背面カバーをキックスタンドとしても機能させる設計も検討中だ。

開発者は「フォームファクターには概ね満足しており、数晩Webブラウジングに使用している。長い道のりだったが、初のデッキ製作にかなり満足している」とコメントしている。タブレット単体での使用のほか、ワイヤレス小型キーボード・タッチパッドやゲームパッドとの組み合わせ、外部モニターとフルサイズキーボード・マウスを接続したデスクトップ的な使用も可能だ。

DIYコミュニティとオープンソース設計

サイバーデッキコミュニティでは、The Cyberdeck CafeやRedditのr/cyberDeckなどのオンラインコミュニティが活発に活動している。これらのプラットフォームでは、ビルドガイドの共有、部品リストの公開、プロジェクトログの管理などが行われている。

多くのサイバーデッキプロジェクトはオープンソース設計を採用しており、STLファイルやソースコードが無料で公開されている。これにより、初心者でも既存の設計を参考にしながら独自のカスタマイズを加えることが可能だ。

技術的には、ほとんどのプロジェクトでハンダ付けスキルが必要となる。最低限、電源スイッチの配線や電線の接続作業は避けられないため、基本的な電子工作技術の習得が推奨されている。使用される単板コンピューターとしては、Raspberry Pi 4の2GBまたは4GBモデルが性能とコストのバランスで人気を集めている。

関連情報

The Cyberdeck Cafe – ビルドガイド

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FabScene編集部

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