自宅やセルフホスティング環境でRaspberry Piを運用するユーザー向けに、ミニサーバーラック内での操作に特化したGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)モジュールの開発が進められている。開発者のmehrdadfellerがYouTubeで公開した動画によると、既存のオープンソースプロジェクト「Ubo pod」から分離独立させる形で、汎用的なRaspberry Pi制御用GUIとして再設計している。
新設計のGUIモジュールは240×240解像度のTFTディスプレイと7ボタンのシリコン製キーパッドを搭載し、18ピンFPCケーブルによるプラグアンドプレイ接続でRaspberry Piと連携する。Wi-Fi設定やシステムリソース監視、SSH設定、VPN構成、ユーザー管理などの基本的な管理機能をディスプレイ上で直接操作できる。
従来のUbo podではGUIがケースに統合されていたが、新設計では独立したモジュールとして動作する。これにより様々なサーバーラック環境での使用が可能になり、45度の角度を付けたディスプレイ配置により視認性も向上させている。
技術仕様では、TFTディスプレイはSPIバス経由でRaspberry Piに接続され、キーパッドはGPIOエクスパンダーチップ「AW9523」を介してI²Cバスで制御される。Adafruitの「ice spy」コネクターを使用することで、I²CとGPIOピンを18ピンFPCケーブル1本にまとめ、接続の簡素化を図っている。
ソフトウェア面では、ウェブブラウザからのアクセスにも対応しており、スマートフォンなどの外部デバイスからもGUIの操作が可能。GitHubで「ubopod/ubo_app」として公開されているソフトウェアは既に実用レベルにあり、ブラウザで動作を確認できる。
開発者は今後、KiCadでのPCB設計完了後、JLCPCBやPCBwayでの製造を予定している。また、ミニラックへの取り付け用3Dプリンタ対応エンクロージャーの設計も計画中で、需要次第では小規模な製品化も検討するとしている。PCB設計とソフトウェアは完全オープンソースとして公開される予定だ。