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玄関の様子を常時表示、Raspberry Piで作る専用監視モニター

エンジニアのFilbot氏が、「Raspberry Pi 4」を使ったコンパクトな監視モニターの製作方法を公開した。ドアベルカメラなどのネットワークカメラ映像を、4インチの小型ディスプレイに常時表示できる。デスクの片隅に設置すれば、いつでも玄関の様子を確認できる専用モニターとして活用できる。

スマホ不要で映像を常時チェック

このプロジェクトの特徴は、スマートフォンアプリを開く必要なく、常に映像を表示できる点。多くの家庭用監視カメラはスマホアプリでの確認が前提だが、その都度アプリを開くのは意外と面倒。専用の小型モニターがあれば、デスクワーク中でも視線を移すだけで玄関の様子を確認できる。

ハードウェアの核となるのは、Raspberry Pi 4と4インチの正方形液晶ディスプレイ(720×720ピクセル)。これらをJay Doscher氏が設計した「ARM Terminal 2 – The Cube」という3Dプリント製の筐体に収納する。筐体の設計データは無料で公開されており、3Dプリンターがあれば誰でも製作可能だ。

Filbot氏は古いランプのアームを再利用し、モニターを自由な位置に設置できるようにした。PCモニターの上部に設置すれば、作業中でも視界に入りやすい。ディスプレイとRaspberry Piの接続はHDMIアダプターと電源供給用のポゴピンで行うため、配線がすっきりしているのも特徴だ。

RTSP対応カメラなら何でも表示可能

ソフトウェア面では、GStreamerという動画処理ソフトウェアとCageというシンプルなウィンドウマネージャーを組み合わせている。RTSP(Real Time Streaming Protocol)という規格に対応したカメラであれば、メーカーを問わず映像を表示できる。

Filbot氏のドアベルカメラは960×720ピクセルの映像を配信しているが、ディスプレイは720×720の正方形。そこで左側240ピクセルを切り取り、ちょうど良いサイズに調整している。切り取られた部分は「ドアの左側の壁だけだったので重要な部分は失われなかった」という。

映像の遅延は公式アプリとほぼ同等で、リアルタイムに近い表示が可能。Raspberry Piの起動時に自動的に映像表示が開始され、カメラとの接続が切れた場合は「NO SIGNAL」という文字を表示する仕組みも実装されている。

Filbot氏は設定用のスクリプトも公開している。IPアドレスやクロップ(切り取り)設定、解像度などを変更すれば、さまざまなカメラやディスプレイに対応できる。systemdサービスとして登録することで、Raspberry Piの電源を入れるだけで自動的に映像表示が開始される。

必要な主な部品は、Raspberry Pi 4(約1万円)、Waveshare製4インチHDMI液晶(約5000円)、3Dプリント筐体、そして設置用のアーム。総額2万円程度で製作可能だ。

Filbot氏は「思った以上に便利で、玄関で何が起きているかをちらっと見られるのは素晴らしい」と評価。監視カメラだけでなく、公開されているウェブカメラや交通カメラなど、RTSP対応のあらゆる映像ソースを表示できるため、アイデア次第で様々な用途に活用できるとしている。

関連情報

RTSP Video Stream on Raspberry Pi – Filbot

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FabScene編集部

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