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ラズパイ用拡張ボード6枚重ね、4G通信とUPS機能を備えた「化け物」マシンをユーザーが投稿

Raspberry Pi用拡張ボードを6枚を重ねて携帯電話回線での通信、高速ストレージ、バッテリー駆動を1台で実現した自作マシンを、個人開発者がRedditに投稿した。投稿者のAndroidAssistantは自作マシンを「abomination(化け物)」と表現したが、モバイル環境で自立動作するコンピュータとして実用的な構成を達成している。

構成の中核となるRaspberry Pi 5に対し、GeeekPi製のM.2 NVMe変換ボード、Waveshare製のPCIe-M.2変換ボード、Quectel EM06 4G LTEモデム、Geekworm製5V UPS、GeeekPi製デュアルFPC PCIe拡張ボードを順次積み重ねている。電源は容量5330mAhの21700リチウムイオン電池2本で供給され、30〜50%負荷時で約7時間の連続動作が可能としている。

「プラグアンドプレイ」で動作、コミュニティは称賛

投稿者によると、各コンポーネントの組み合わせは事前の詳細な設計なしに「educated yolo」(教育的な当たって砕けろ)アプローチで実装したが、電源とピンの共有、PCIe通信が問題なく動作したという。「ほとんどがプラグアンドプレイで驚くほど簡単だった」とコメントしており、Raspberry Piエコシステムの拡張性の高さを実証する結果となった。

Reddit上では「hat on a hat」(帽子の上に帽子)という表現で拡張ボードの重ね技を揶揄するコメントが多数投稿される一方、「4Gスマートフォンをスクラップから作った」「美しい化け物」といった称賛の声も寄せられている。実用性を問う質問に対し投稿者は、ポータブル4Gルーター、セルフホストクラウドサーバー、エッジAI・IoTゲートウェイ、リモートモニタリング、ペネトレーションテストなどの用途を挙げている。

技術的には、GeeekPi製デュアルFPC PCIe拡張ボードがPCIeレーンの分割機能を提供し、複数の拡張カードの同時動作を可能にしている。UPS機能は底面のpogo pin接続により実装され、NVMeストレージと4G LTE通信の大部分はPCIe経由で処理されるため、GPIOピンの競合を回避している。

投稿者は今後、全体を収容する3Dプリント製ケースの設計を予定しており、より実用的な外観への改良を計画している。

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FabScene編集部

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