中国のBilibili動画で見かけた小型ロボットを自作したい。しかし、設計ファイルは中国国内アカウント限定だった。そこでMakerのDorian Todd氏は4か月かけて一から設計し、誰でも作れる四脚歩行ロボット「Sesame」を完成させた。
Sesameは3Dプリントで製作できる四脚歩行ロボットで、ESP32マイコンで制御する。脚1本あたりサーボモーター2個(膝と股関節)、計8個のMG90Sメタルギアサーボを搭載し、歩行や方向転換、ダンスなどの動作が可能だ。前面には128×64ピクセルのOLEDディスプレイを備え、表情を表示する。
部品コストは50〜60ドル(約7000〜8500円)に抑えた。Todd氏は以前、6脚のヘキサポッドロボット「Red Hex」を製作した経験があるが、高価で組み立てが複雑だった反省から、Sesameでは低コスト、表現力、そして詳細なドキュメント整備の3点を開発目標に据えた。
3Dプリント用パーツは、サポート材を最小限に抑えるよう最適化されている。リンク部品の一部が角張った形状になっているのは、特定の向きでサポートなしに印刷するためだ。ボディは11パーツで構成され、PLAフィラメントでの出力を想定している。
電源は当初USBテザー方式だったが、現行版では3セルLiPoバッテリー(450mAh)を内蔵し、5V/3A出力のDC-DCコンバーターで給電する。8個のサーボが同時に動作すると電流が急増してESP32がブラウンアウト(電圧低下による再起動)を起こすため、ファームウェアには各モーター間に20ミリ秒の遅延を入れる工夫が施されている。
制御はWi-Fi経由で、ESP32が「Sesame-Controller」というアクセスポイントを作成する。スマートフォンなどから接続すると、ESP32内のPROGMEMに格納されたHTML/CSSベースのコントローラー画面が表示され、歩行や各種アニメーションをボタン操作できる。シリアルCLIからの制御にも対応している。
アニメーション作成を効率化するため、Todd氏はPython製デスクトップアプリ「Sesame Studio」も開発した。ロボットの模式図上でサーボ角度をスライダー調整し、フレームとして記録、複数フレームを連結してアニメーションを作成できる。完成したアニメーションはC++コードとして出力され、Arduino IDEに貼り付けてファームウェアに組み込む仕組みだ。
GitHubリポジトリではSTLファイル、Fusion 360のCADデータ、配線ガイド、組み立てガイド、ファームウェア一式がApache 2.0ライセンスで公開されている。モジュラー設計のため、猫耳付きカバーや配線を隠すカバーなど外装のカスタマイズも可能だ。さらに脚部を車輪に換装したバリエーションも紹介されており、プラットフォームとしての拡張性を示している。
現在、組み立てキットの予約受付も開始されている。