Apple WatchやGalaxy Watchに満足できなかったGitHubユーザーのSpectrewolf777氏が、自作のスマートウォッチ「Stm32l4-Watch」を作った。中に入れる機能もセンサーもコードも、すべて自分で決められる仕様で、設計データも公開する。
中身は自作のカスタム基板だ。頭脳は超低消費電力のSTM32L4P5(Cortex-M4)で、無線はnRF52805のBluetooth Low Energyが担う。表示には、解像度240×240の1.28インチ丸型タッチ画面を使う。センサーは6軸のIMUや加速度、地磁気、気圧、温湿度、デジタルマイク、高精度のRTC、電池残量計に、記録用のNANDフラッシュまでと幅広い。
USB Type-Cでパソコンにつなぐと、TinyUSBの働きで仮想シリアルポートとUSBメモリの両方として認識される。設定がしやすいうえ、録音した音声などのファイルを、USBメモリのようにそのままコピーできる。ファームウェアは歩数計や時計、ストップウォッチ、傾きでの画面操作、シリアルコマンドの処理に対応する。
この時計は、USBキーボードやマウスとしても振る舞え、ハードウェアの検証やセキュリティ試験に使うBadUSBの用途にも対応する。Bluetoothでは、スマホと連携して天気を同期するほか、自作の電子工作やHome Assistant、ESP32を使った機器を操るコントローラーとしても使える構想だ。
開発はいまも続く。今後はジェスチャーでの音声録音や電子コンパス、動作認識の拡充を予定する。ハードウェアもSTM32U5への移行や、基板の44mmから40mmへの小型化、Bluetoothでの音声対応などを見込む。設計データはGitHubで公開されており、市販品とアプリの数や知名度で競うより、機能もセンサーもコードも丸ごと自分の手に置きたい人に向く作りだ。