科学系YouTuberのStyropyroことDrake Anthony氏が、400台の車載バッテリーを並列接続した電源で6000アンペア定格のヒューズを飛ばす実験動画を公開した。15万アンペアの大電流が流れた瞬間、ヒューズから激しいプラズマジェットが噴出する様子が記録されている。
Anthony氏によると、電気実験で知られるYouTuber「Photonic Induction」が以前5000アンペアのヒューズを飛ばした動画を公開しており、これが動画で記録された最大のヒューズ実験だった。Anthony氏は6000アンペアのヒューズを入手し、この記録を更新しようと試みた。
使用したヒューズは重さ約20kg、銀メッキの銅製接点を持ち、遮断定格は20万アンペア。電源には400台の車載バッテリーを並列接続したバンクを使った。この構成で15万アンペア以上の連続電流を取り出せる。
本番に先立ち、500アンペアと1000アンペアのヒューズで予備実験をした。ヒューズ内部には砂が充填されており、溶断時の火花やプラズマを抑える設計になっている。1000アンペアのヒューズを切り開いて砂を除去し、代わりにインジウムを詰めて通電したところ、13万アンペアの電流で内容物が激しく噴出した。
6000アンペアのヒューズを切り開くと、内部は複数の小型ヒューズを並列接続した構造だった。砂を除去した状態で最初の通電を試みたが、ヒューズ本体ではなく接点ブロックが先に溶けてしまった。クランプをばね式に変更して2回目の通電を試みたところ、15万アンペアの電流が流れてヒューズが溶断した。スローモーション映像では、溶断の瞬間に激しいプラズマジェットが噴出する様子が捉えられている。
Anthony氏はSIU Carbondale(南イリノイ大学カーボンデール校)の卒業生で、2006年からYouTubeで活動している。チャンネル登録者数は280万人を超え、レーザー、化学、パワーエレクトロニクスに関する実験動画を投稿している。