Arduinoは2026年3月10日、IoTボード「Nano Matter」がLinux Foundation傘下のリアルタイムOS「Zephyr RTOS」(ゼファー)の公式ボード定義をアップストリームに取得したと発表した。
Zephyr RTOSはGoogle、Intel、Nordic、Silicon Labsなどが参加する組み込みOS開発プロジェクトで、900以上のボードをサポートする。公式のボード定義が追加されたことで、west build -b arduino_nano_matter の1コマンドでNano Matterをターゲットにしたビルドが可能になった。
Nano Matterで選べる開発路線は2つある。1つ目は従来通りのArduino IDE路線で、Matter対応スマートホームデバイスやBLEアプリケーションを手軽に開発できる。2つ目が今回追加されたネイティブZephyr路線で、マルチスレッド処理、高度な電源管理、BLE 5.3フルスタックなどのプロ向け機能を使える本格的なRTOS環境だ。同一のハードウェアで両方に対応するため、プロジェクトの要件に応じて路線を切り替えられる。
ボードのサイズは45×18mmのカステレートパッド設計で、USB-Cによるデバッグインターフェースも内蔵する。Silicon Labs製MGM240S SoCを搭載しており、ARM Cortex-M33(78MHz)、256KB SRAM、1.5MBフラッシュを備える。省電力モード(EM2 DeepSleep)では1.3μAの超低消費電力で動作し、バッテリー駆動IoT機器にも対応する。セキュリティ面ではPSA Certified Level 3相当のSecure Vaultを内蔵し、ハードウェアレベルの鍵管理と安全起動を備える。
Arduinoは、プロトタイプを同ボードで開発してそのまま初期少量生産に組み込み、量産段階でMGM240Sモジュールやカスタム基板へ移行するシナリオを想定している。Zephyrの標準APIを使っているため、ターゲット変更時もアプリケーションコードの大部分を流用できる。
Nano MatterはArduino Storeおよび各代理店で販売中。
Arduino Nano Matter is now a professional Zephyr development platform(Arduino Blog)