Categories: ニュース

ケーブル不要でセットアップ、Arduino UNO R4 WiFiがBluetooth接続に対応

Arduinoは2025年9月18日、「Arduino UNO R4 WiFi」向けに新しいBluetooth経由でのプロビジョニング機能を発表した。これにより、PCとのケーブル接続やドライバのインストールなしに、スマートフォンアプリから簡単にボードの初期設定とWi-Fi接続が可能になる。

スマホアプリで簡単セットアップ

プロビジョニングとは、Arduinoボードを安全にArduino Cloudに登録し、Wi-Fiネットワークに接続するプロセスのこと。これまではUSBケーブルでPCに接続し、ドライバをインストールして設定する必要があった。

新しいBluetooth経由のプロビジョニングでは、「Arduino IoT Cloud Remote」アプリをスマートフォンやタブレットにインストールし、以下の簡単な手順で設定できる。まず、UNO R4 WiFiボードに電源を供給(USB、バッテリー、その他の電源)。次にアプリを起動してボードを検出し、Wi-Fiネットワークに接続するだけで完了する。

この新機能により、PCがない環境でもボードのセットアップが可能になり、初心者にとってもハードルが大きく下がる。特にドライバのインストールが不要になったことで、OSの違いによる設定の複雑さも解消される。

Arduino Cloudに接続後は、Things(IoTプロジェクト)の作成、ライブステータスの監視、OTA(Over-The-Air)アップデート、データの可視化などが可能。さらに、Arduino AIアシスタントを使ってプロジェクトのガイダンスを受けることもできる。

最新製造分のみ対応、今後他モデルにも展開予定

注意点として、この新しいプロビジョニング機能は最新製造分の「UNO R4 WiFi」のみが対応しており、既に市場に出回っている製品では利用できない。購入時期によっては従来通りの設定方法が必要となる。

UNO R4 WiFiは、ルネサス製RA4M1マイコンとEspressif製ESP32-S3を組み合わせた32ビットボード。12×8のLEDマトリックス、Qwiicコネクタ、リアルタイムクロック用電源ピン(VRTC)、電源オフピンなどを搭載し、従来のUNO R3との互換性を保ちながら、処理能力と接続性を大幅に向上させている。

Arduinoは「これは始まりに過ぎない」としており、今後他のArduinoボードでも新しいプロビジョニング機能をサポートする予定。どのボードが次に対応するかは明らかにされていないが、Wi-Fi機能を持つボードから順次展開されると予想される。

なお、UNO R4 WiFiを所有または購入予定のユーザーには、Arduino Cloud Makerプランの3か月無料アクセスが提供される。Makerプランは中規模プロジェクト向けで、ストレージやコンパイルの制限なく、リアルタイム通知や高度なウィジェットなどの機能が利用できる。

関連情報

Introducing a new Provisioning flow — Starting with the UNO R4 WiFi – Arduino Blog

FabScene編集部

FabScene編集部