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米Duke大、前後のない20本脚ロボット「Argus」が全方向に同じ性能で動く

人型でも犬型でもない、海ウニのように20本の脚を放射状に伸ばすロボットが米デューク大学の研究チームから発表された。名前は「Argus(アルゴス)」。前も後ろもなく、20本の伸縮する脚がそれぞれ深度カメラを備える。「方向によらず同じように動ける」ことを原理から追求した設計で、研究チームは1500を超える形状をシミュレーションで比較し、性能上限に近い構成を選んで実機を作った。論文は2026年5月27日、英科学誌Science Roboticsに掲載された。

研究の中心は「動的等方性(dynamic isotropy)」と呼ぶ評価指標だ。重心をどの向きに動かしても、加速度がどれだけ均等に出せるかを0から1で表す。最新の四足ロボットやヒト型ロボット、一般的なドローンの多くが0.6を下回るのに対し、Argusは0.91と理論上限に近い値を示した。脚を正十二面体(12の正五角形の面でできた立体)の各頂点に配置し、力の発生と視野が、ほぼあらゆる方向に対して同じになるよう設計している。

キャンパスでの実験では、コンクリートや芝、深い茂み、砂、濡れた地面、樹皮の上を、どの向きに置かれていても進めた。約13cmの段差を越え、押された後すぐに姿勢を立て直し、脚が3本壊れても動き続けた。約4.5kgの荷物をほぼ全速力で運び、平行な2枚の壁の間を、脚をグループに分けて支えと推進を交互に切り替えながら垂直に登る動作も披露している。約91cmの立方体を転がしながら追跡し、押し続けることもできた。

これらの動きはすべてシミュレーションだけで学習させ、実機にそのまま移植したという。Duke大でGeneral Robotics Labを率いるBoyuan Chen氏は「前と後ろの区別がなくなれば、ロボットの制御問題そのものが変わる」と話す。1500構成の探索データもあわせて公開され、ほかの研究グループが同じ設計空間を探れる。動物の形を模倣せずに動きの対称性から機械を設計する発想で、自作の脚ロボットや探査ドローンを考える際の物差しとしても使えそうだ。

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FabScene編集部

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