ロケットを地上から打ち上げるのではなく、気球で上空まで運んでから空中で発射する――。そんな打ち上げ方式の実用化を目指す宇宙スタートアップのAstroXが、2026年2月14日に福島県南相馬市で実験を行い、空中発射に必要な姿勢制御技術の動作を確認したと発表した。
この方式は「Rockoon(ロックーン)」と呼ばれ、RocketとBalloonを組み合わせた造語だ。大型の気球でロケットを高度約25kmの成層圏まで運び、そこから宇宙空間に向けて点火する。通常のロケットは地上からの打ち上げ時に大気の濃い低高度を突破するために大量の燃料を消費するが、ロックーン方式なら空気の薄い高空からスタートできるため、小型のロケットでも衛星の軌道投入が狙える。
空中で安定した方向を保ったままロケットを発射するには、気球に吊り下げた状態で風などの外乱に対抗する姿勢制御が不可欠だ。AstroXはCMG(コントロール・モーメント・ジャイロ)方式の姿勢制御装置を開発しており、今回の実験ではその地上での検証を目的とした。
実験は空中での気球環境を地上で再現する形で設計された。2基のコンテナ上に門型ゲートを組み、CMG姿勢制御装置と小型ハイブリッドロケット「Kogitsune」(全長1700mm、直径154mm、質量10kg、推力300N級)を吊り下げた状態で発射した。点火直後に市販品の燃料棒が破損しロケットの正常飛翔には至らなかったが、風や燃料棒破損に伴う想定外の外乱が加わった状況でもCMGが発射姿勢を制御し続け、装置の堅牢性を確認する結果となった。
AstroXは2022年5月の設立以来、段階的に技術検証を積み重ねてきた。2022年12月には気球からのモデルロケット空中発射に成功し、2024年11月には全長6.3mのハイブリッドロケット「FOX 1号機」を地上から発射して高度約7kmに到達した。姿勢制御装置はJAXAとの共創活動や大林組との共同開発を通じて改良を重ねている。同社は2026年度中にロックーン方式での宇宙空間(高度100km)到達を目指す。
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