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Audiが未来の電気自動車を先取り、屋根が開閉する2人乗りスポーツカーを発表

ドイツの高級車メーカーAudiが2025年9月、電気で走る2人乗りスポーツカーのコンセプトカー「Concept C」を発表した。このコンセプトカーは将来販売される実際の車のデザインを示すもので、イタリア・ミラノで開催されたイベントで公開された。

同社は今回の発表で「ラディカルシンプリシティ」と呼ぶ新しいデザインの考え方を打ち出した。これは「必要最小限まで削ぎ落とした美しさ」を意味し、複雑になりがちな現代の車のデザインを見直す取り組みだという。

「Concept C」の最大の特徴は、電動で開閉する金属製の屋根を採用していることだ。通常のオープンカーは布製の幌を使うことが多いが、この車は硬い屋根を2つのパーツに分けて格納する仕組みを採用している。これにより、屋根を閉めた時は美しい一体感のあるデザインを保ちながら、開放時は風を感じるドライブを楽しめる。

シンプルで分かりやすい操作を重視

車の前面には縦長のデザイン要素を配置し、これが車全体のデザインの基準となっている。このデザインは1936年の伝説的なレーシングカー「Auto Union Type C」と2004年の「A6」にヒントを得たもので、Audiの歴史を現代的に解釈したものだ。

車内では「目立たない技術」というコンセプトを採用している。これは必要な時だけ情報を表示し、運転の邪魔をしないという考え方だ。10.4インチの折りたたみ式ディスプレイが状況に応じて必要な情報だけを表示し、ハンドルやセンターコンソールの物理的なボタンと組み合わせて直感的な操作を可能にしている。

素材には特殊加工されたアルミニウムを使用し、独特の「Audiクリック」と呼ばれる心地よい操作感を実現している。ハンドルの中央には金属製のAudiのロゴマークが配置されている。

外装色は「チタニウム」と名付けられたグレー系の色で、金属チタンの美しい光沢をイメージ。ライトは従来と異なる4つの横並びデザインを採用している。

同社は2025年末までの24か月間で20台を超える新しい車種を発表予定で、高級車市場で最も新しいラインナップを構築する計画だ。2026年からはドイツの工場で完全電気自動車の普及価格帯モデルの生産を開始し、同年にはモータースポーツの最高峰「Formula 1(F-1)」への参戦も予定している。

「Concept C」は将来実際に販売される車のデザインを示すものであり、その後の車種にも影響を与えるとされている。

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Audi Concept C プレスリリース

FabScene編集部

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