サンステラとAPPLE TREEは2025年11月7日、Bambu Lab製FFF(熱溶解積層)方式3Dプリンターの最新モデル「H2D Pro」の国内販売を開始した。販売価格は59万8000円(税別)。入荷は2025年11月中旬から下旬を予定している。
H2D Proは、既存モデル「H2D」の上位機種として位置付けられ、製造業・研究機関・教育機関など業務用途での使用を想定している。従来のH2Dでは非対応だった有線LAN接続に対応し、企業や教育機関のネットワークポリシーに適合するセキュアな接続を実現した。WiFi接続ではWPA2-Enterprise(Wi-Fi Protected Access 2 Enterprise、企業向けWi-Fi暗号化規格)に対応する。
ノズルには硬度HRA 90(ロックウェル硬さA、超硬合金の硬度指標)のタングステンカーバイド(炭化タングステン)を採用した。繊維強化材など研磨性の高い材料を使用してもノズル摩耗を低減し、従来比で寿命が50%向上したという。
位置精度の向上も図られている。ビジョンエンコーダー(視覚式位置検出装置)を搭載し、造形エリア全域で50μm(マイクロメートル、0.05mm)の一貫した位置精度を実現した。Bambu Labの自動穴径・輪郭補正により、造形時の公差を最小限に抑えるとしている。
温度制御機能も強化された。ノズルは最高350℃まで対応し、PA(ポリアミド)、PPA(ポリフタルアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などの高性能エンジニアリングプラスチック系フィラメントに対応する。アクティブチャンバー(庫内温度を能動的に制御する機構)は65℃まで加熱でき、層間接着強度や耐久性に優れた造形が可能だ。ツールヘッド強化冷却ファンの採用により、PLA(ポリ乳酸)やTPU(熱可塑性ポリウレタン)などの低融点フィラメントでも安定した造形品質を実現するという。
デュアルノズルシステムを採用し、AMS 2 Pro(Automatic Material System、自動フィラメント供給システム)およびAMS HT(高温対応版)に対応する。柔軟材と剛性材の同時造形や、多色・多機能造形が可能だ。
作業環境への配慮として、HEPA H12フィルター、活性炭フィルター、プレフィルター(G3)を標準装備する。微粒子やVOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)の発生を抑制し、研究施設や製造現場での使用に配慮した環境性能を備えている。
また、複数台を一括管理できるプリンターフリート管理機能に対応しており、業務システムとの連携を想定した設計となっている。
サンステラでの購入特典として、同社オリジナルの「BambuLab ソフトウェアユーザーマニュアル」が1カ月以内に別送される。また、日本拠点の技術者による修理サポートを提供する。
サンステラでは、保証は本体1年保証のほか、有償のプレミアム保証サービス(19万8000円/年、税込、最大5年)を用意している。購入は、サンステラ3Dモール、見積もりによる購入(教育機関・法人窓口)、同社商流経由で可能だ。APPLE TREEでもオンラインストアおよび見積もりによる購入に対応している。
Bambu Lab H2D Pro 3Dプリンター 国内販売開始(サンステラ)
Bambu Lab H2D Pro(APPLE TREE)