ビット・トレード・ワンは2026年9月4日、USB PD充電器を可変電源として使うための開発・評価支援ボード「USB PD Power Controller」を発売する。市場想定売価は5980円前後(税抜き)で、型番はADUPANZとなる。電子工作の情報を発信する「じがへるつ工房」を主宰するじがへるつ氏が設計した。
USB Power Delivery対応の充電器は、つないだ機器と交渉して電圧を決める。本製品はPPSとEPRという2つの拡張に対応しており、PPSでは電源側が許す範囲で0.1V刻みに電圧を指定でき、EPR対応の充電器をつないだ場合は最大28V・3Aまで引き出せる。手元にあるUSB PD充電器が、そのまま可変電源になる。
もう1つの柱が測定だ。出力中の電圧と電流を1mV・1mA刻みで測り、本体のディスプレイに表示する。電源を供給しながら消費電流の変化を追えるため、試作した回路の通電確認やトラブルの切り分けを1台で済ませられる。同社は、大型のラボ電源を導入する前段階の検証を素早く進める用途を想定する。
つないだ充電器が何をできるのかも表示できる。USB PDでは電源側が供給可能な電圧と電流の組み合わせをPDOという形式で持っており、本製品はこれを読み取って画面に出す。手持ちの充電器がどのプロファイルに対応しているかをその場で確認できるので、簡易的な電源アナライザーとしても使える。
本体は約62×44×11mm、重さ約40gで、内容物は本体のみとなる。USB PD 3.1のEPRに対応したコントローラーが電圧を交渉し、過電流、過電圧、異常温度に対する保護機能を備える。回路図とソースコードはApache 2.0ライセンスでGitHubに公開されており、制御にはUSB PDコントローラーのAP33772Sを使う。
同社は制約も明示している。取り出せる電圧と電流は接続する充電器とケーブルの仕様に依存し、28V出力はEPR対応の電源をつないだときに限られる。測定機能は簡易評価向けで、計測器と同等の精度を保証するものではない。出力に大容量のコンデンサーのような容量性負荷をつなぐと、突入電流で保護動作や故障を招く場合があるとしている。基板は回路と出力端子が露出しているため、通電中の接触にも注意が要る。あくまで開発と評価に向けた製品で、スマートフォンの充電のような一般用途は想定していない。