3Dプリントした造形物の表面にテクスチャを付けたい場合、スライサーのファジースキン機能ではランダムなノイズしか追加できない。本格的なツールはMaterialise製が数十万円規模、Formlabs製は自社プリンター専用に限定されており、Blenderは習得コストが高い。この状況に対して、CNC KitchenのStefan氏が独自のWebツール「BumpMesh」を開発し、bumpmesh.comで無料公開した。GitHubにもオープンソースで公開されている(CNCKitchen/stlTexturizer、MITライセンス)。
BumpMeshの仕組みはシンプルだ。STL・OBJ・3MFファイルをブラウザに読み込み、グレースケール画像を「変位マップ」として指定すると、黒に近い部分はそのまま、白に近い部分は表面が盛り上がる形でメッシュを変形させてエクスポートする。処理はすべてブラウザ内で完結し、クラウド送信やアカウント登録は不要だ。
組み込みテクスチャはBasket・Brick・Carbon Fiber・Crystal・Hexagon・Knurling・Leather・Voronoi・Woodなど25種類が用意されており、自分で用意したグレースケール画像をアップロードして使うこともできる。テクスチャの投影方法は、ほとんどの形状でシームなく貼り付けられるトリプラナー投影のほか、円筒形オブジェクト向けの円柱投影、平面投影など複数のモードから選べる。
マスキング機能も備えており、ベッドに接する底面など特定の面を除外したり、ブラシやバケツ塗りつぶしで任意の面だけにテクスチャを適用したりできる。テクスチャの深さは正負の両方向に設定でき、ベースモデルに対して内側・外側どちらにも変形させられる。
用途として字幕で紹介されているのは、Zシーム(縦方向の継ぎ目)の隠蔽、グリップ面の追加、花瓶モードプリントの剛性向上などだ。円周方向にストライプを追加するだけで剛性が大幅に上がり、変形も抑えられるという。
FDMプリンターの場合、0.3mm未満の振幅のテクスチャは造形後に確認しにくいとしている。トップ面はサイド面より細部の再現性が落ちるため、必要に応じてマスクで除外することを推奨している。