Categories: ニュース

オリジナルマインドが卓上サイズの樹脂ペレット製造機を発売、混練から造粒までを1台に集約

オリジナルマインドが、樹脂の混練からペレット化までを卓上で完結できるペレタイザー「CONERI CN-3035A」を発売した。従来は大型設備で別々に行っていた混練・押出・造粒の3工程を1台に統合し、59万8000円(税込)からの価格で提供する。

「CONERI」は、射出成形機「INARI」シリーズで知られる同社が新たに開発した装置で、樹脂材料の試作や小ロット生産を想定している。一般的なペレタイザーは各工程の機構が一直線に並ぶため大型化が避けられなかったが、樹脂を水平方向に混練した後、真下に押し出してカットする「反転L字型」の独自構造を採用した。

少量から必要分だけペレット製造

画像出典元オリジナルマインド

従来のペレタイザーは大量生産を前提とし、1種類の樹脂ペレット製造に数十kg単位の材料が必要だった。コンパクトサイズのCONERIは一度の製造に必要な材料量を大幅に削減し、少量から必要な分だけペレットを製造できる。

技術的特徴として、射出成形機で広く採用されている一軸式のフルフライト型スクリューを搭載した。スクリュー表面には特殊なメッキ処理を施し、潤滑性や耐食性を向上させている。数本のネジを外すだけでスクリューを取り外せる設計のため、材料の切り替えや残留樹脂の除去を短時間で行える。

操作インターフェースには直感的なアナログツマミを採用し、ストランドの押出速度やローラーの引き込み速度、カッターの回転数を調整してペレットの径や長さを制御できる。冷却ファンの風量やホッパーの回転数も調整可能で、ペレットの仕上がりを確認しながら最適な条件を設定できる。

安全性と使いやすさを両立

画像出典元オリジナルマインド

安全機能として、ストランドを切断するカッター部分に透明の保護カバーを設け、視認性と安全性を確保した。スクリューやカッターに過負荷がかかった際は自動的に動作を停止する機能を標準搭載している。

材料投入用のホッパーには回転機構を装備し、粉体材料や形状の不揃いなリサイクル材使用時の詰まりを防ぐ。一般的な振動式ホッパーと異なり、材料の分離を抑えながらスクリューへ安定供給する。

同社は2000年の設立以来、卓上サイズの工作機械を中心とした製品開発を行っている。射出成形機INARIシリーズの提供を通じて卓上でのプロトタイピング環境を提供してきた同社が、今回は成形に使用する樹脂ペレットの製造装置として新分野に進出した形となる。

関連情報

CONERI CN-3035A製品ページ

FabScene編集部

FabScene編集部