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単体では遅いロボットが群れると、粘土のように流れて障害を突破する仕組を開発

コーネル大学の電気・コンピュータ工学科のKirstin Petersen准教授らの研究グループが、個別に動かすとほとんど前進できない小型ロボットが集まることで、粘土や液体のように障害を避けながら流れる集合体を作り出す「Cross-Link Collective(クロスリンク集合体)」を開発した。論文は2026年5月20日、Science Robotics誌に掲載された。

各モジュールは長さ約200mm・幅20mmで、小型モーターが「I字」と「U字」の2形態を往復するように駆動する。この振動が床への力を生み出してモジュールをわずかに前進させる仕組みだ。各端部に弱いマジックテープのパッチが付いており、隣接するモジュールに一時的に引っ付いたり離れたりできる。

単体ではゆっくりとしか動かないこのモジュールが多数絡み合うと、挙動が一変する。連鎖が形成されると集合体は継続的に形を変えながら前進を続け、傾斜面では個体が向きによって止まる場面でも集合体としては安定して登れた。障害物の密集したエリアでは詰まらないよう接続と分離を繰り返しながら流体のように通り抜けた。

この仕組みに中央のコンピューターや通信は存在しない。形状と物理的な接触そのものに「知性」が宿っている状態を、研究グループは「機械知性(mechanical intelligence)」と呼ぶ。バッテリー切れや故障で群れからはぐれたモジュールは音声でブザーを鳴らし、近くのモジュールが速度を落として合流を待つ仕組みを持つ。これが全体の耐故障性を高めており、一部のモジュールが壊れても集合体の動作は続く。

研究グループはこのシステムを、分子の結合が絶えず生成・解消されながら全体構造を保つ「アクティブゲル」という物質から着想を得たと説明している。今後は軟質ロボット工学や探索・災害対応向けシステムの研究への応用が期待されるとしている。

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FabScene編集部

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