Diver-Xは2026年1月22日、クロステック・マネジメントから力触覚提示デバイス「EXOS(エクソス)」シリーズの事業ライセンスを2025年12月1日に取得したと発表した。従来の触覚フィードバック技術に加え、力触覚領域へ本格参入する。
EXOSシリーズは、exiiiが開発したVR触覚デバイスだ。exiiiは2014年設立のスタートアップで、当初は3Dプリンターで製造可能なオープンソースの筋電義手「HACKberry」を開発し、国内外のデザイン賞を受賞していた。しかし義手市場の規模を考慮し、その技術を活かしてVR触覚デバイス分野へ転換。VR空間でCGの物体に触れた際の反力を再現する外骨格型デバイスとして、EXOS Wrist DK1、DK2などを開発した。同社の解散に伴いクロステック・マネジメントが技術を継承していた。Diver-Xは今回のライセンス取得により、触覚と力触覚の両技術を統合し、手に関わるあらゆるインタラクションを包括的に提供する体制を構築する。
ライセンス取得の対象は、関連知的財産一式、EXOS Wrist(手首の動作に力触覚を与えるデバイス)、五指触覚グローブ(指先の感触を再現するグローブ型デバイス)、Hand Unit(ロボットハンド等の基盤ユニット)となっている。exiiiは「人間とコンピューティングの新しい関係を作り出す」をミッションに掲げ、HTC ViveやOculus Touch、Windows MRなどの主要VRプラットフォームに対応したUnity SDKを提供し、主に製造業や医療シミュレーション分野向けに展開していた。
Diver-Xは従来、グローブ型VRコントローラ「ContactGlove」シリーズの開発で、高精度なハンドセンシングと触覚フィードバック技術を社会実装してきた。触覚フィードバックとは、デバイスが振動や物理的な刺激をユーザーに与えることで、実際に触れたような手応えや存在感を伝える技術だ。一方、力触覚(フォースフィードバック)は、物を触ったり手にしたりしたときの手ごたえとしての感覚で、物から受ける応力により硬さや軟らかさ、弾力性、動きなどを把握する感覚を指す。実空間のような手ごたえや重さを再現するには、皮膚感覚に働きかける触覚だけでなく、筋肉や腱に作用する力触覚技術が不可欠との結論に至った。
今後は、既存の触覚技術と力触覚技術を掛け合わせることで、XR領域における没入感の向上だけでなく、ロボットの遠隔操作(テレオペレーション)や、急速に発展するフィジカルAI分野における学習データ収集など、実世界とデジタルが高度に融合する分野で次世代のインターフェースソリューションを提供する。
元exiii代表取締役で現Curious Robotics代表取締役の山浦博志氏は「Physical AIやHumanoidといった潮流が本格的に立ち上がる中で、XR分野で培われてきた要素技術は、これらと極めて密接に結びつく。約5年の歳月を経て、これまでの取り組みが日本で継承され、次の文脈につながることを大変嬉しく思う」とコメントしている。