VHSテープを再生できるブラウン管テレビは、レトロゲーマーや映像コレクターにとって入手困難な機材となっている。米国発の「RetroBox」は、VHSデッキを内蔵したレトロスタイルのテレビとして予約を開始した。価格は399ドル(約5万6000円)で、8色のカラーバリエーションを用意する。
RetroBoxは1990年代のテレビデオを彷彿とさせる箱型デザインを採用し、VHSデッキを内蔵する。入力端子はHDMI、コンポジット、S端子、コンポーネント(YPbPr)、RF、ATSCを搭載。対応解像度は240p、480iのNTSC 4:3で、水平走査周波数15kHz、垂直走査周波数60Hzをネイティブサポートするとしている。
公式サイトによると、RetroBoxはブラウン管(CRT)ではなく液晶パネルを採用する。CRTは「重くて壊れやすく、入手困難で、安全に修理するには専門知識が必要」なため、現代の製品には適さないと判断したという。ノスタルジックな「ざらついた」映像表現でCRTの画質を再現するとしているが、パネルの種類(IPS、VAなど)、解像度、CRTエミュレーションの具体的な技術については明かされていない。
公式サイトの「About the Creators」によると、開発者は「大学生で新婚」のDaniela氏とChase氏の2人。「子供時代の特別な体験を再現したい」という動機で製品開発を進めているという。ただし、会社名や所在地、製造委託先などの情報は公開されていない。連絡先として電話番号は公開されているものの記載されているメールアドレスはGmailで、法人としての体制は不明だ。
販売サイトはShopifyで構築されており、現在すべてのカラーが「Sold out」表示となっている。VHSテープ5本が付属するバンドルセット(425ドル、約6万円)のみ購入可能な状態だが、出荷時期は明記されていない。SNSはInstagramとFacebookのアカウントが存在し、Instagramには試作機とみられる動画が投稿されている。
海外のレトロゲームコミュニティでは、製品の詳細が不明な点や、内蔵VHSデッキの品質への懸念を指摘する声も上がっている。レトロゲームや古い映像機器の接続には、RetroTINKシリーズなど実績のあるアップスケーラー製品も選択肢となる。
RetroBoxについては、製品の詳細な仕様公開や実機レビューを待ってから判断するのが賢明だろう。