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自宅でバリスタレベルのナイトロコーヒーが飲めるーーカートリッジ不要のPSA方式ナイトロマシーン「EverNitro」

米XBREWが、カートリッジ不要のナイトロマシン「EverNitro」のクラウドファンディングをKickstarterで開始した。空気から最大95%純度の窒素を生成し、ナイトロドリンクの製造、ホイップクリームの泡立て、食材保存の3つの用途に対応する。2026年2月から出荷開始予定。

ナイトロコーヒーやナイトロカクテルは、微細な窒素の気泡が飲み物の口当たりをなめらかにし、自然な甘みを引き出す。カフェやバーではよく見かけるが、家庭で楽しむには使い捨てカートリッジが必要で、継続的なコストと廃棄物の問題があった。

XBREWのEverNitroは、この問題を空気から窒素を生成することで解決する。PSA(圧力スイング吸着)技術と呼ばれる方式を採用しており、医療用酸素生成や食品保存で数十年使われてきた実績がある技術だ。まず多段階フィルターで空気中の塵、油分、湿気を除去する。次に2つの分子篩が交互に動作し、一方が窒素を分離している間、もう一方が再生する。これにより連続的な窒素生成が可能になる。

生成される窒素の純度は最大95%に達する。純度が高いほど微細な気泡が生成され、クリーミーな泡立ちと長持ちするフォームが得られる。また酸化を遅らせる効果もあり、飲み物が酸っぱくなったり苦くなったりするのを防ぐ。

2つの動作モードを搭載する。Fast Mode(高速モード)は25秒で78%純度の窒素を生成し、High-Purity Mode(高純度モード)は60秒で90〜95%純度に達する。デジタル圧力制御により0〜8 barの範囲で調整でき、泡の質感を好みに合わせて変えられる。

画像出典元:KickStarter

用途はドリンクだけではない。3-in-1マシンとして、ホイップクリームの泡立てと食材保存にも対応する。ホイップクリーム用ノズルを使えば、カートリッジなしで生クリームを泡立てられる。また専用の保存ジャーにコーヒー豆や茶葉、シロップを入れ、純窒素で満たすことで鮮度を長く保てる。

本体には取り外し可能なキャニスター、ノズル、保存ジャーが付属し、これらは食洗機で洗える。内蔵の防塵フィルターは4〜5年持続し、必要に応じて清掃または交換できる。

製品は2つのバージョンを用意する。EverNitro Liteはナイトロドリンク専用、EverNitro Proは3つの機能をすべて備える。100〜240Vの電圧に対応し、Type B、C、G、Iのソケットで使用できる。

XBREWはDJIとBrevilleで働いた経験を持つエンジニアと、物理学と製品設計の専門知識を持つチームによって設立された。「窒素は空気から直接取り出せるのに、ほとんどのシステムが使い捨てカートリッジに依存していた。私たちの目標は、窒素ガスと使い捨てパッケージによる廃棄物と汚染を解決することだった」と創業の背景を説明している。

Kickstarterでのプロジェクトは2025年11月25日まで実施中。Super Early Bird価格はLite版が269ドル(約3万8000円)、Pro版が299ドル(約4万2000円)。2026年2月から出荷開始予定。

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Kickstarterプロジェクトページ

FabScene編集部

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