ExtraBoldは2025年8月19日、MEX方式3Dプリンターの「一筆書きでしか造形できない」という課題を解決するシャットオフノズルを開発したと発表した。同社によると、大型MEX方式の3Dプリンターヘッドに装着可能なシャットオフノズルとしては世界初という。年内に製品化し、既存の大型3Dプリンター「EXF-12」「REX-BUTLER」の後付けオプションとして販売開始する。
MEX方式(Material Extrusion)は、溶融した樹脂を押し出して積層造形する3Dプリンターの代表的な方式で、FFF(Fused Filament Fabrication)とも呼ばれる。従来のMEX方式では、ノズルから連続的に材料を押し出すため、一筆書きのような連続した軌道でしか造形できないという制約があった。
開発されたシャットオフノズルは、射出成形機分野で実績のあるシャットオフ機構を3Dプリントヘッド用に新設計したもので、材料の吐出を任意のタイミングで開始・停止できる。これにより間欠吐出による柔軟なパス制御が可能となり、複雑形状や開口部を含む造形物の品質向上と設計自由度の拡大を実現する。
シャットオフノズルはEXF-12とREX-BUTLERの各ヘッドにオプションとして後付け可能で、着脱も容易な設計となっている。Gコードを活用した柔軟な制御にも対応する。
同社では、まず既に製品を導入している顧客に優先的に提供し、新規導入検討中の顧客にも順次オプションとして提供できる体制を整えるとしている。今後も3Dプリンターの機能改良・アップグレードを進め、導入済み顧客に継続的に最新ソリューションを提供する方針を示している。
ExtraBoldは東京都豊島区に本社を置くスタートアップで、最先端のAM(Additive Manufacturing)技術を駆使し、ALL MADE in JAPANにこだわった持続可能な製品開発を推進している。「Green Creative」を掲げ、環境に優しい製品を通じて社会貢献を目指している。
同社は2017年に創業。既存の3Dプリンターの課題解決を目指し、工場の製造ラインで稼働できる基準を満たしつつ、リサイクル素材も利用可能な大型3Dプリンター「EXF-12」を開発。工作機械メーカーや射出成形メーカーとの協力により、試作用途ではなく量産機としての品質を実現している。