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Fordのサスペンション特許が公開、381mm動く部品の中にブレーキ配管を通す

Ford Global Technologiesが出願した、サスペンション部品の内部に流体の通路を作り込む特許の出願公開公報が、2026年8月13日にドイツで公開された。ステアリングナックルやコントロールアームを積層造形で作る途中に内部の通路を残し、そこへブレーキ液や冷却液を通す。外側を這わせていたホースやブラケット、クリップを減らせる。公開番号はDE102026105285A1で、2025年2月13日の米国出願を優先権としている。

ブレーキ液をキャリパーへ、冷却液を電動モーターへ届ける配管は、サスペンションやホイールという位置が大きく変わる場所を通る。その分だけ逃げの空間を取り、肉厚も増やす必要があった。特許はこの配管を部品の内側へ取り込む。手順は3段階になる。材料を積んで部品の基部を途中まで作り、次に材料を足して内部の通路の側面を立ち上げ、最後にその通路を塞いで部品を仕上げる。

ステアリングナックルはサスペンションが動く間に最大381mm変位すると明細書は書く。外を通す配管をその区間から減らせば、配管にかかる力も、飛び石など外気に触れる面積も小さくなる。通路は部品の中心を通らない。位置は「最短経路」で決めるが、これは絶対的な最短の長さではなく、流量と性能を保てる範囲での最短を指す。通路の径は途中で変えられる。太い部分が液を溜め、圧力の波を吸収する緩衝として働く。

通路を作る工程では、ほかの部品も一緒に埋め込める。ひずみゲージを入れて部品にかかる力を測り、車両の制御モジュールへ送る。アクティブサスペンションであれば、その値をもとにダンパーの減衰係数を変える。絶縁体で覆った電気配線を通路に沿わせることもできる。液を流して減衰係数が変わるハイドロブッシュも組み込める。回路は導電性インクをインクジェットで刷る想定で、銀などの金属フィラーと樹脂を混ぜ、260℃以下で液化しながら導電性を保つものを使う。用途によっては1093℃以下まで許容する。

製造はプリンター1台から3台、あるいは複数のノズルを持つ1台で組む。1台目が第1端を作り、コンベアなどの搬送装置で2台目へ渡して通路の側面と埋め込み部品を作り、また戻して通路を塞ぎ第2端を仕上げる。基部と通路で材料を変えてもよく、基部を耐荷重材、通路を強靱な樹脂にする例も挙げている。隣り合う部品同士で通路の入口と出口を直結し、間の配管をなくす構成にも触れる。

ただし今回公開されたのは審査前の出願であり、権利が確定したわけでも、Fordが製品化を決めたわけでもない。同じ内容は中国(CN122560916A)と米国(US20260233567A1)でも公開されている。

関連情報

DE102026105285 (A1) – ADDITIV GEFERTIGTE AUFHÄNGUNGSKOMPONENTEN MIT EINEM INTEGRIERTEN FLUIDDURCHLASS(Espacenet)

FabScene編集部

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