オーストラリア在住の19歳Freesia Gaul氏が、MITの無料オンライン講座「MIT OpenCourseWare」で学んだ電子工学の知識を基に、VR用触覚グローブを開発した。寮の部屋で製作した初期プロトタイプはYouTubeで反響を呼び、2025年のSxSW Sydney Tech and Innovation FestivalでPeople’s Choice賞を受賞。同氏はこの技術をもとにスタートアップ「On Zero」を共同創業した。
Gaul氏は14歳のときにMIT OpenCourseWareを発見した。両親がスキー会社を経営していたため半年ごとに転校を繰り返し、13校を転々とした経験から、オンラインでの独学に取り組むようになった。最初に受講したのは「6.002 Circuits and Electronics」と「6.01SC Introduction to Electrical Engineering and Computer Science」で、回路設計の実践的な理解を深めたという。
触覚グローブの開発は、バッテリー残量の少ないノートPCで作業していた際に思いついた。空中でタイピングできるBluetoothキーボードのようなグローブを作れないかと考え、余暇時間を使って開発を進めた。
グローブにはスマートフォンやゲームコントローラーに使われる小型のリニア共振アクチュエーター(LRA)を組み込んでいる。VR空間のオブジェクトにマッピングすることで、ユーザーが仮想物体に触れた感覚を得られる仕組みだ。ジェスチャートラッキング機能も備え、VRやロボティクス分野での応用を想定している。
Gaul氏はMIT OpenCourseWareで線形代数、微積分、量子物理学なども学び、15歳でThe Coding Schoolが運営する高校生向け量子コンピューティング講座「Qubit by Qubit」にも参加。現在はニューサウスウェールズ大学で量子工学を専攻している。大学初日にはMIT Quantum Hackathon(iQuHack)に参加し、双曲関数の値を量子論理で近似する手法を考案してチームで佳作を受賞した。
スタートアップ「On Zero」の名称は、量子コンピューターのキュービットにおける「ゼロ状態」に由来する。Gaul氏が15歳のときに開設したブログと同じ名前で、無から創造する可能性を表現している。
Teen builds an award-winning virtual reality prototype thanks to free MIT courses(MIT News)