技術評論社は2025年8月26日、書籍「改訂新版電子工作入門以前」を発売する。著者は後閑哲也氏。B5変形判328ページで、定価は2860円(税込)。電気・電子の歴史から実践的な電子工作まで、初心者が知りたい基礎知識を体系的に解説する。
本書は「電子工作を始めたいが何から手を付けたらいいかわからない」という初心者向けに執筆されている。第1章では電気の発見からトランジスタの発明まで、電気・電子技術の歴史を追いながら基礎知識を解説。静電気の研究から始まり、電池の発明、オームの法則、電磁誘導現象、そして半導体技術の発展まで、技術の進化を時系列で理解できる構成となっている。
続く章では電子工作の始め方、必要な道具、ブレッドボードやユニバーサル基板の使い方、プリント基板の注文方法など、実践的な内容を解説。デジタルマルチメータやオシロスコープといった計測器の使い方も含まれている。抵抗、コンデンサ、コイルなど基礎的な部品の役割と選び方についても詳しく説明している。
本書では製作例も豊富に盛り込まれてている。LEDを光らせる基本的な回路から始まり、明るさを可変するPWM制御、ソーラーライト、赤外線リモコン受信機、4桁7セグメントLED時計など、段階的にステップアップできる内容となっている。
音を出す電子工作では、防犯ブザー、MP3プレーヤー、人検知メロディ再生器などを製作。FMラジオの製作では、基本的なモノラルラジオからマイコン制御のラジオまで解説している。動くものを作りたい読者向けには、RCサーボコントローラ、ステッピングモータコントローラ、赤外線リモコンカーの製作例を掲載している。
最終章ではセンサデータをPCやクラウドに送信するIoTの基礎も学べる。付録ではRaspberry Pi Pico Wの準備方法、表面実装ICのはんだ付け方法、クラウドサービス「Ambient」の使い方を解説。最新のマイコンボードを使った電子工作にも対応している。
対象読者は電気・電子の基本を知りたい人、回路図を読めるようになりたい人、基礎的なパーツの役割を知っておきたい人、ソフトウェアはわかるがハードウェアが苦手だと感じる人など。経験者には常識とされる内容も徹底的にわかりやすく解説しているのが特徴だ。