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豆腐を潰さず掴めるロボット指——1Pa検出のグラフェンエアロゲルセンサー

ロボットの指が豆腐を掴もうとして潰してしまう——これはロボット工学の長年の課題だ。人間の指先は無意識に力を調整しているが、ロボットには「どれだけ力をかけているか」を感じるセンサーが必要になる。そのセンサーの性能に大きな一歩が出た。Nano-Micro Letters誌が2026年3月27日にオープンアクセスで掲載した論文(DOI: 10.1007/s40820-026-02109-8)が報告した。

開発されたのはグラフェン(炭素原子1層分の薄いシート)を使った超軽量スポンジ状の素材「グラフェンエアロゲル」を芯に使ったフレキシブル圧力センサーだ。密度はわずか10mg/cm³で、ティッシュ1枚より軽い。製造方法も面白く、グラフェン酸化物の液体を一方向に凍らせてから乾燥させると、氷の結晶の跡がそのまま細管状の多孔構造として残る。この細かい穴が圧力で潰れるときに導電経路が増え、電気抵抗の変化として圧力を読み取る仕組みだ。

このセンサーは羽根1枚が乗せられる程度の微小な1Paから、人が椅子に座る程度の100kPaまで1台でカバーし、感度は698.96kPa⁻¹に達する。2万回の繰り返し耐久試験をクリアしており、応答・回復速度も合わせて160msと速い。

ロボットハンドの5本の指先にこのセンサーを貼り付けた実験では、リアルタイムの力フィードバックによってコットンや中華まんじゅうなどの柔らかい物体を変形させずに把持できることが確認された。また機械学習と組み合わせた食材識別の実験では、オレンジ・バナナ・パン・豆腐・きゅうりなど8種類を触覚だけで区別し、99.58%の精度を達成した。

4×4のアレイとして並べてArduino Mega 2560で読み取ることで、どこにどれくらいの圧力がかかっているかを面として可視化する電子皮膚としても動作する。

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FabScene編集部

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