Honeywell Aerospaceは2026年3月6日、有人戦闘機と連携して飛行する自律型無人機「協調戦闘機(CCA:Collaborative Combat Aircraft)」向けの高性能ターボファンエンジン「HON6000」を発表した。中型CCAのほか、軽攻撃機や高等練習機向けにも対応する推進システムとして位置づけている。
CCAは米空軍が推進する「ロイヤルウィングマン」と呼ばれる概念の核心だ。有人戦闘機のパイロットが直接操縦する必要のない自律型機体が編隊を組み、空対空戦闘・電子戦・偵察などのリスクの高い任務を担う。使用後に回収しないことも前提とした「消耗可能(attritable)」な運用思想があるため、高性能であると同時に低コストであることが求められる。
HON6000はHoneywellが過去50年間で手がけた約15万基のタービン推進エンジンおよびAPU(補助動力装置)の技術的知見をベースに設計した。同社によればそのスラストクラスの中で最高のパワーウェイトレシオを持つとしており、「複雑な競合環境でのキネティック任務に最適なパフォーマンス」を実現する。取得コストと運用コストの低さをバリュープロポジションの中心に据えており、大規模展開時のコスト最適化を重視した設計だ。
デジタルヘルス&使用状況監視システムも統合し、エンジンの状態とメンテナンス要件をリアルタイムで追跡できる。これにより機体のフリート全体にわたる予知保全と稼働率向上を支援する設計になっている。
同社はすでに小型CCA向けの「SKYSHOT1600」エンジンも展開しており、HON6000とあわせて小型・中型のCCAメーカーに対してプロポーション選択肢を提供できるポートフォリオを整えた形だ。2026年2月23日には米空軍から同社に対してSKYSHOT1600を軸とした次世代CCA向け推進システムの試作設計契約が発注されている。米空軍はCCAをF-35などの有人機と連携させる次世代航空優勢(NGAD)ファミリーの一角と位置づけており、今後の量産に向けた開発競争が本格化している。
なお、HON6000はHoneywellがすでにエンジン設計・製造を行っている実績ある軍用プラットフォームの技術を転用しており、ゼロから設計する場合と比べて開発リスクと開発期間を大幅に短縮できる点を「ready-now(今すぐ使える)」と表現して訴求している。