ベルリンを拠点とするエンジニアDave氏が、Arduino、ESP32、Raspberry Piなどの外部マイコンを必要としない4G LTE IoT開発ボード「Open Stack」のクラウドファンディングをKickstarterで実施している。
従来のセルラーIoT製品は、マイコンまたはシングルボードコンピュータ、セルラーモデム、GPSモジュール、電源管理回路など複数の基板を組み合わせる必要があった。これによりコスト、サイズ、消費電力、開発時間が増大する課題があった。
Open StackはQuectel EC200U-CNAAモジュールを搭載し、RTOS-based Cプログラミングによって、LTEモジュール上で直接アプリケーションを実行できる。4G LTE通信、GNSS測位(GPS/GLONASS/Galileo/BDS/QZSS対応)、Bluetooth 4.2を1つのボードに統合し、外部マイコンなしで動作する。
主要な仕様は、マルチバンドLTE(グローバル対応)、GSM/GPRS/EDGEフォールバック、Bluetooth 4.2(Classic+BLE)、40ピンGPIOヘッダー(Raspberry Pi HAT互換)、OLEDディスプレイ、USB Type-C(電源・プログラミング・デバッグ兼用)。IPv4/IPv6のサーバーモードとクライアントモードの両方に対応し、セルラーモデムとしても機能する。
注目すべきは、Raspberry Pi HAT互換の40ピンGPIOヘッダーを搭載している点だ。Raspberry Pi本体なしで、既存のRaspberry Pi HAT拡張ボードをLTEモジュールから直接制御できる。これにより、既存のエコシステムを活用しながら、よりコンパクトなシステム構成を実現できる。
BLE機能を活用することで、スマートフォンからの直接制御、BLEセンサーからのデータをLTE経由でクラウドに転送するゲートウェイ構成など、多様なIoTアプリケーションに対応する。
Open Stackはオープンソースハードウェアとして設計されており、回路図、PCBレイアウト、ハードウェアドキュメントが公開予定だ。教育機関や研究開発、カスタマイズを必要とする企業にとって、学習と改変の機会を提供する。
メディア掲載実績として、Hackster.io、CNX Software、Hack The Board、The Raspberry Pi News、IPv6.netなどの主要技術メディアで紹介されている。コントローラー不要のセルラーIoTというアプローチが、IoTおよび組み込みコミュニティで関心を集めている。
価格は基板のみが55ユーロ(約1万円)、コンパクトGPSアンテナ付きが57ユーロ(約1万300円)、外部GPSアンテナ(3mケーブル)付きが59ユーロ(約1万700円)。キャンペーンは2026年3月11日まで実施され、2026年4月から5月にかけて出荷予定だ。
産業用途のGPSトラッキング、遠隔監視、フィールドでのデータ収集など、Wi-FiやEthernetが利用できない環境での常時接続システムに適している。また、RTOS-based組み込みC開発、セルラー通信、GNSS測位を1つのボードで学べる教育プラットフォームとしての活用も期待される。
Open Stack — Standalone 4G LTE IoT & Connectivity Module(Kickstarter)