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ラズパイZeroサイズの自作基板を16歳の高校生が開発、プロセッサーを自由に設計可能

フランス出身の高校生Chengyin Yao氏が開発したFPGA開発ボード「Icepi Zero」が、クラウドファンディングサイトCrowd Supplyに登場した。同製品はRaspberry Pi Zeroと同じサイズながら、ユーザーが独自のプロセッサーを設計できるLattice ECP5 FPGAを搭載している。

Icepi ZeroはApple IからRISC-Vコアまで、さまざまなシステムを再現できる2万4000個のLUT(ルックアップテーブル)と112KiBのRAMを備えている。開発者によると、従来のFPGA開発ボードは高価で大型なものが多く、低コストでポータブルなFPGA基板の必要性を感じて開発したという。

豊富なインターフェースと汎用性を実現

Icepi ZeroはRaspberry Pi Zeroの形状を採用しながら、インターフェースを大幅に強化している。従来のmicro USBポートに代わり3つのUSB Type-Cポートを搭載し、GPDI mini(ライセンスフリーのHDMI)コネクターによるデジタル映像出力にも対応している。

また、256MbitのSDRAM、128Mbitのフラッシュストレージ、microSDカードスロット、40MHz外部オシレーター、4つのLED、プッシュボタンなどを内蔵している。USB-JTAGおよびUART変換機能も搭載しており、外部プログラマーなしでの書き込みが可能だ。

同基板はスタンドアロンのFPGA開発ボードとしてだけでなく、Raspberry Pi Zeroのコプロセッサーとしても機能する。機械学習の高速化や動画処理など、並列計算処理でPi Zeroを支援できる設計となっている。

完全オープンソースで教育・研究用途に最適

Icepi Zeroは完全オープンソースプロジェクトとして公開されており、設計ファイル、サンプルプログラム、関連資料はすべてGitHubで公開されている。

プログラミングにはYosys(Verilog合成)、nextpnr(配置配線)、openFPGALoader(ビットストリーム書き込み)といった確立されたオープンソースツールチェーンを使用する。GUIベースのIcestudioによる視覚的なプログラミングにも対応している。

開発者のYao氏はPCBWayによるスポンサーシップも受けており、製造コストは40〜50ドル程度を想定している。現在Crowd Supplyでのキャンペーン開始に向けて準備を進めているが、具体的な販売時期や価格については未発表となっている。

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FabScene編集部

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