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IKEAの目覚まし時計を航空計器風CO2センサーに改造――針の動きで濃度を表示

市販のCO2センサーは機能的だが、デザインは味気ない。数字が表示されるだけの液晶画面では、部屋に置いておきたいと思えるものは少ない。ドイツ在住の開発者が、航空計器のような針式ディスプレイを備えたCO2センサーを自作した。ケースにはIKEAの目覚まし時計「DEKAD」を流用し、スマートホーム連携にも対応する。

「GALOPED-DEKAD」と名付けられたデバイスは、SenseAir S8センサーでCO2濃度を測定し、自動車ダッシュボード用のステッパーモーターX27-168で針を動かす。ESP32-WROOM-32モジュールを搭載し、ファームウェアにはTasmotaを採用した。TasmotaはESP32やESP8266向けのオープンソースファームウェアで、市販のスマートプラグやセンサーをHome AssistantなどのスマートホームシステムとWi-Fi経由で連携させる用途で広く使われている。

自動車用計器モーターの制御に工夫

ESP32-WROOM-32モジュール搭載を前提とした専用基板。画像出典元:Reddit投稿

X27-168は自動車のスピードメーターなどに広く使われるステッパーモーターで、滑らかな針の動きと大きな回転角度が特長だ。ただし、Tasmotaには対応ドライバーがなかった。開発者は専用ドライバーVID6608のサポートをTasmotaに新規実装し、パッチはTasmota v15.2.0に取り込まれている。

針の位置を記憶する仕組みにも工夫がある。電源オフ時に針がずれると、次回起動時にキャリブレーションで針がストッパーに当たり続ける問題が発生する。解決策として、強誘電体RAM(FRAM)チップを基板に搭載した。FRAMは10の12乗回の書き込みに耐え、1秒に1回書き込んでも3万1000年以上持続する計算になる。起動時に保存された位置から針を復元することで、不要な衝突を回避できる。

ケースに選んだIKEA DEKADは、内部構造がDIY向きだった。文字盤、フレーム、ガラスがすべて別パーツで、ネジで固定されている。上部にはベル駆動用の穴があり、CO2濃度が高くなったときに警報を鳴らす用途にも転用できる構造だ。

デザインは「航空計器風」と「レトロ風」の2種類を用意。バックライトも、なし、ランプ風、RGB LEDの3パターンから選べる。文字盤はInkscapeで作成し、写真プリントで出力した。針は3Dプリンターで造形し、IKEAの時計から取り外した針先を圧入して仕上げている。

CO2センサーは省略可能で、その場合はスマートホームシステムからの外部コマンドで針を制御する。温度、湿度、気圧センサーの追加にも対応し、拡張コネクターでI2Cデバイスやディスプレイも接続できる。

製作コストはハードウェアのみで約50ユーロ(約7700円)。最も高価なパーツはSenseAir S8センサーで、他の電子部品すべてを合わせた価格を上回る。設計データ、ファームウェア、3Dモデルは、GNU GPLv3ライセンスでGitHubに公開されている。

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FabScene編集部

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