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ポルトガルの研究所、貴金属を市販品の半分にした水電解の触媒を開発

ポルトガルの国際イベリアナノテクノロジー研究所(INL)などの研究チームは、水を電気分解して水素を作る装置向けに、白金などの貴金属の量を市販品の約半分に減らした触媒を開発した。白金、ニッケル、ルテニウムを混ぜた直径約1.5nmの合金の粒子で、単セルの試験では300時間以上、性能を落とさずに動いた。成果は、INLのYury V. Kolen’ko氏の研究グループに所属するSiva Sankar Nemala氏らが、学術誌「Chemical Engineering Journal」の546巻に発表した。

対象は、固体高分子膜を使う水電解装置(PEM水電解)で、陰極で水素を発生させる反応の触媒だ。PEM水電解の触媒には白金族の金属が使われるが、量が少なく高価で、装置の費用の大きな割合を占める。性能と耐久性を保ったまま使用量を減らすことが、再生可能エネルギー由来の水素を安くするうえでの課題になっている。

研究チームは、白金、ニッケル、ルテニウムを5対3対2の割合で含む合金の粒子を、原料を連続的に流しながら合成する装置で作り、欠陥の多いグラフェンの上に均一に固定した。3種類の金属は還元されやすさが大きく違い、一度に混ぜて反応させる従来の方法では粒子ができる時期をそろえにくい。連続的に流す方法ではこれをそろえられるとし、研究チームは工業規模に広げやすい作り方だと説明している。

触媒に含まれる貴金属は重さで20.5%で、比較に使った市販の触媒(白金40%)の約半分になる。単セルの試験では、60℃で電流密度1.0A/cm²のときの電圧が1.6Vだった。300時間以上の運転で電圧は安定していた一方、市販の触媒は性能が下がり続けた。

作ったばかりの触媒は、表面にニッケルの酸化物が付いている。研究チームによると、運転を始めて陰極側の電圧をかけると、この酸化物が還元されて取れ、金属だけの表面になる。チームはこれを劣化ではなく「活性化」と位置付け、放射光を使ったX線吸収分光で表面の変化を確かめた。同チームは、同じ合成の仕組みを水素の発生以外の電気化学的なエネルギー変換にも広げられるとしている。

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FabScene編集部

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