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Linuxカーネル7.0の初テスト版が公開、Rustサポートが正式化――約1万4500件の変更を含む大型リリース

Linus Torvalds氏は2026年2月22日、Linuxカーネル7.0の最初のリリース候補版(RC1)を公開した。6.19に続くメジャーバージョンの更新で、約1万4500件のコミット(コード変更の単位)を含む大規模なリリースとなった。

バージョン番号が6.xから7.0に上がった理由は、機能面の大きな転換ではない。Torvalds氏はメーリングリストで「大きな数字に混乱してきた(指と足の指が足りなくなりそうだ)」と説明している。Linuxカーネルでは3.x以降、マイナーバージョンが19前後に達するとメジャー番号を繰り上げる慣例があり、4.x→5.0、5.x→6.0に続く3回目の切り替えとなった。

7.0の主な変更点として、まずプログラミング言語Rustのサポートが正式に「実験的」の扱いから外れた。Linuxカーネルは大部分がC言語で書かれているが、メモリー関連のバグを防ぎやすいRustの導入が2022年のLinux 6.1から段階的に進められてきた。7.0ではRustで書かれたドライバーの開発が本格化している。

ハードウェア対応では、Intelの次世代プロセッサー「Nova Lake」「Diamond Rapids」やAMDの次世代アーキテクチャー「Zen 6」向けの準備コードが追加された。Qualcomm Snapdragon X2のサポート拡充やApple MacのUSB Type-Cポート対応も含まれている。

パフォーマンス面では、AMD EPYCサーバー上でのPostgreSQLの処理速度が改善されたほか、exFATファイルシステムの読み取り速度向上、EXT4ファイルシステムの並列書き込み改善などが盛り込まれた。ネットワーク関連ではマルチコア対応を改善するCAKE_MQが導入され、一部の条件下でデータ転送速度が最大4倍になるとされている。

Raspberry Piへの影響も触れておきたい。7.0ではARMプロセッサーでの64バイトアトミックロード対応やメモリー管理の最適化が含まれており、Raspberry Pi OS(Debian系)のカーネルが将来的に7.0ベースに移行すれば、ファイルI/Oやメモリー効率の恩恵を受けられる可能性がある。ただしRaspberry Pi財団は独自のカーネルツリーを管理しており、メインラインの変更が反映されるまでには一定の期間がかかる。すぐにRaspberry Piの動作が変わるわけではないが、IoTやサーバー用途でRaspberry Piを使っているユーザーにとって、Rustサポートの正式化による将来的なドライバーの安定性向上は注目に値する。

正式版のリリースは2026年4月中旬を見込んでおり、Ubuntu 26.04 LTSのデフォルトカーネルとして採用される予定だ。

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Linux 7.0-rc1(kernel.org)
Linus Torvalds氏のメーリングリスト投稿

FabScene編集部

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