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M5Stackが名刺サイズの超小型コンピューター「Cardputer-Adv」を発売、キーボード付きでプログラミング可能

中国のM5Stackは2025年9月5日、カードサイズの小型コンピューター「Cardputer-Adv」を発表した。同製品は従来モデル「Cardputer」の改良版で、IoT開発やプロトタイピング用途に設計されている。エンジニアや開発者、技術愛好家を対象とし、携帯性を保ちながら性能と機能を向上させた。

Cardputer-Advは「Stamp-S3A」モジュールを搭載し、Wi-FiとBluetooth接続に対応している。56キーのコンパクトキーボードは、キーの押下力を従来の260gfから160gfに軽減し、操作性を改善した。1.14インチのTFT LCDディスプレイを備え、視認性を確保している。

従来モデルとの比較表。画像出典元:M5Stack公式ブログ

豊富な入出力機能とセンサー類

音響機能では「ES8311」オーディオコーデックと高信号雑音比のMEMSマイクロフォン、「NS4150B」アンプ、1Wスピーカーを内蔵し、3.5mmヘッドフォンジャックも搭載している。センサー類では「BMI270」6軸IMUとIRトランスミッターを備え、モーション追跡やリモコン機能を提供する。

接続性の面では、Grove互換の「HY2.0-4P」ポート、14ピンの拡張ヘッダー、microSDカードスロットを搭載している。別売りの「Cap LoRa868」アクセサリーと組み合わせることでMeshtastic通信にも対応する。

電源には1750mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵し、磁石ベースで金属表面への固定が可能だ。また、LEGO穴互換のマウント設計により、様々な用途での固定に対応している。

開発環境は「UIFlow2」、Arduino IDE、ESP-IDF、PlatformIOをサポートし、幅広い開発ワークフローに対応している。同社は内蔵ミニプログラムに加え、「M5Burner」を通じてコミュニティ開発のファームウェアライブラリーも提供している。

コミュニティで人気のプロジェクトには「M5Launcher」「Bruce」「NEMO」「Evil-Cardputer」「Marauder」「Ultimate Remote」などがあり、それぞれ1万回以上ダウンロードされている。レトロゲーム、リモコン、UIダッシュボード、サイバーセキュリティツールなど多様な用途でのプロトタイピングが可能だ。

M5Stackの公式チャンネル以外にも、RedditやDiscordでユーザー主導のコミュニティが形成されており、プロジェクトの共有や技術情報の交換が行われている。

Cardputer-AdvはM5Stack公式ストアおよび世界各地の正規販売代理店で販売を開始している。

関連情報

M5Stack Cardputer-Adv製品ページ

FabScene編集部

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