中国のMakeraは2025年10月、デスクトップCNCマシン「Makera Z1」のクラウドファンディングをKickstarterで開始した。金属や木材など多様な素材の加工に対応し、0.02mm解像度と0.01mmスピンドル振れ精度を実現する。初心者でも扱いやすいワンクリックCAMソフトウェアとAI搭載ワークフローを搭載した。
Makeraは過去に「Carvera」「Carvera Air」の2つのKickstarterキャンペーンを成功させている。Z1は同社3作目のデスクトップCNC製品となる。
Z1は最大1万3000 RPMのクローズドループ速度制御に対応する高トルクスピンドルを搭載する。NEMA 17ステッピングモーター、リニアレール動作システム、アクメリードスクリュードライブにより、金属、木材、複合材料の加工で安定した動作を維持する。
作業エリアは330×200×100mmで、重量は17kg。クイックツールチェンジシステムにより、工具交換をダウンタイムなしで数秒で完了できる。自動プロービング機能により、素材の厚さや表面レベルを自動測定し、加工前に自動レベリングを実行する。
新開発のAeroDust集塵システムは、高圧送風機とデュアルチャネルダクト設計により、加工中の切削屑や微粒子を効果的に除去する。底部のダスト排出口が残留粉塵を捕集し、内部コンポーネントを保護する。
内蔵カメラによりリモートでの加工プロセス監視が可能で、タイムラプス機能も搭載する。全閉型設計とノイズリダクション機能により、静音性を確保した。
付属のMakera Studioはワンクリックで使えるCAM(Computer-Aided Manufacturing、コンピューター支援製造)ソフトウェアで、プロジェクトのツールパスを複雑な設定なしで自動生成する。デザイン共有プラットフォーム「Makerables」では、他ユーザーのCNCプロジェクトを閲覧し、Z1用にワンクリックでセットアップできる。
AI搭載ワークフロー機能により、3Dモデリングスキルなしでカスタムモデルを作成できる。オプションの4軸モジュールを使用すれば、円筒形や両面加工、完全な3D形状の加工が可能になる。
対応素材は、金属ではアルミニウム合金、真鍮、銅、PCB、木材ではハードウッド、合板など、プラスチックではナイロン、PVC、ABT、アクリル、HDPE、複合材料ではカーボンファイバー、FRPなど。
オプションとして445nm半導体ダイオードレーザー(5W)とMakera Cyclone Dust Collector Liteが用意される。
Kickstarterでの価格は、Early Birdが899ドル(約12万6000円)、Kickstarter Specialが949ドル(約13万3000円)。オプションのレーザーモジュールは99ドル(約1万4000円)、4軸モジュールは199ドル(約2万8000円)、Cyclone Dust Collector Liteは299ドル(約4万2000円)。
出荷は2026年1月を予定する。キャンペーン終了は2025年12月13日。