Mattelが初めて自閉症を持つバービー人形を発売した。開発には18ヶ月以上を費やし、米国の非営利団体Autistic Self Advocacy Network(ASAN)と協力した。ASANは自閉症当事者によって運営される権利擁護団体で、メディアにおける自閉症者の表現改善にも取り組んでいる。
自閉症の特性は人によって大きく異なり、外見からは分かりにくいことも多い。ASANのコミュニティ・エンゲージメント・マネージャーであるNoor Pervez氏は「自閉症に決まった見た目はない。だが、自閉症がどのように現れるかを示すことはできる」と語った。
人形のデザインには、自閉症者の経験を反映した工夫が施されている。視線はやや横を向いており、直接のアイコンタクトを避ける傾向を表現した。肘と手首には可動域を設け、スティミング(自己刺激行動)やハンドフラッピングといった、感覚情報の処理や感情表現に使われる動作を再現できる。
服装にも配慮がある。ラベンダーと白のピンストライプのAラインドレスは、肌への接触を減らすゆったりとしたフィットで、半袖とフレアスカートを採用した。靴は安定性と動きやすさを重視した平底だ。髪型は細かい運動機能への影響を考慮し、ルーズなスタイルにまとめている。
付属品は3点。ピンクのフィジェットスピナーは実際に回転する。ピンクのノイズキャンセリングヘッドフォンは感覚過敏への対処を表現している。ピンクのタブレットは、話すことが難しい人が使うAAC(拡大代替コミュニケーション)デバイスを模したものだ。
Mattelはプレスリリースの中で「バービーは子どもたちが見る世界と想像する可能性を反映してきた。自閉症バービーの発売は、その取り組みの一環だ」と述べている。
Fashionistasシリーズでは2019年から障がいを持つバービーを展開しており、車椅子使用者、義肢装着者、白斑(ビチリゴ)、補聴器装着者、盲目、ダウン症候群のバービーがラインナップに加わっている。2023年にはダウン症候群のバービーを、2024年夏には1型糖尿病のバービーを発売した。
価格は11.87ドル(約1800円)。Mattel公式サイトとTargetで販売中で、Walmartでは2026年3月から取り扱いを開始する。発売に合わせ、Mattelは全米の小児病院に1000体の自閉症バービーを寄贈する。