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浴室で始まったギター演奏ロボットが7年で完成、3Dプリントで誰でも作れる形に

デジタルの楽譜データを鳴らすと、音はスピーカーから出てくる。録音でも打ち込みでも、最後に空気を震わせるのは振動板だ。ニュージーランドのエンジニアBruce氏は、この最後の一段を楽器そのものに戻そうとしている。同氏が7年かけて作った「MegCell Pulse」は、市販のアコースティックギターに取り付けて弦を押さえ、弾く装置だ。鳴っているのはギターの生音で、その部屋の響きもそのまま乗る。

装置は人の左右の手に相当する2つの機構に分かれる。フレット側は弦を押さえる役目を担い、ピック側は弦をはじく。歯車と磁気アクチュエーター、腕を組み合わせた構造で、デジタルのタブ譜を読み込むとそのとおりに動く。曲ごとにプログラムを書き直す必要はない。フレット押さえの自動較正機能も備える。

演奏の仕方は2通り選べる。すべてを装置に任せる自動演奏と、押さえるところだけ装置が受け持ち、弾くのは人がやる補助演奏だ。後者は、コードの押さえ方を覚える前にギターを弾いてみたい人を想定している。装置の狙いは人の動きを再現することではなく、正確なタイミングと同じ演奏の繰り返し、そして機械にしかできない運指にあると同氏は説明する。

同氏の専門は船舶工学と複合材の製造、CAD、自動化の開発で、音楽の教育を受けたわけではない。最初の試作は自宅の浴室を作業場にして、Arduinoと基本的な部品、それにアイスの棒で組んだという。資金も仲間もないまま、仕事のあとの時間で少しずつ改良を重ねてきた。

Kickstarterでの募集は、この装置を第三者が作れる形にするために始めた。集めた資金は、デジタルデータの整理と組み立て手順の改善、ソフトウェアと較正手順の洗練、説明書や解説の作成に充てる。プロジェクト実行者はBruce氏本人で、ニュージーランドのオークランドを拠点とする。

支援して届くのは完成品ではなく、3Dプリント用のデータと組立説明書、制御ソフトウェア、部品表になる。基本のプリントデータのみが49ニュージーランドドル、日本円で約4600円になる。一式そろう内容は早期支援枠で約1万2100円からで、いずれも物理的な部品は送られてこない。電子部品と機械部品は支援者が自分で調達し、組み立てる。募集は2026年9月3日まで。届ける時期は2026年9月を予定する。

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FabScene編集部

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