1913年に登録されたある工具の特許は、ほとんど使われないまま消えた。当時の製造技術では精度が出せず、市場に出てもすぐに姿を消した。英国・LeedsのMetMoはその特許を蚤の市で偶然見つけ、現代のCNC加工技術で作り直した。それが「Pocket Grip」だ。
元になった1912年の米国特許は、J. Andersonが設計した両端に挟み口を持つレンチ「Triplet Grip」を描いていた。当時はStanley Toolsが短期間流通させたが、精度を出しにくい鋳造工程がボトルネックになって1915年頃に消えた。Pocket Gripはその設計を現代の素材と加工精度で再解釈したもので、同社のMetMo Fractal Vise(バイス)から引き継いだ挟み口機構を組み込んでいる。
挟み口は一方が固定、もう一方が動いて最大20mmまで開く。開く過程で両側が常に平行を保つため、ナットや六角ボルトを掴んでも傷をつけにくく、角のある部品も安定して保持できる。中央の軸部分は単なる支点ではなく1/4インチヘックスビットの差し込み口を兼ねており、T字型ドライバーとしても使える。
サイズは95×44×10mm、重量はアルミ84g・チタン104g・ステンレス141g。機能は5-in-1(挟み口レンチ・プライヤー・ヘックスドライバー・クランプ・タップホルダー)で、ステンレス仕様のみワイヤーカッターが追加された6-in-1になる。挟み口の素材は全モデル共通で17-4 PH(H900)の硬化ステンレス(硬度45 HRC)を使用している。
現在Kickstarterでキャンペーン中。早期割引価格はアルミ£99(約2万900円)、チタン£199(約4万2000円)。出荷は2026年12月を予定している。